2019 Fiscal Year Annual Research Report
胎児期に原発事故を経験した福島の子どもたちの小学校への適応についての発達的研究
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18H01082
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Research Institution | The Open University of Japan |
Principal Investigator |
氏家 達夫 放送大学, 愛知学習センター, 特任教授 (00168684)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 大幸 中部大学, 現代教育学部, 講師 (80611433)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 実行機能 / 問題行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
福島県内と仙台市内の小学校1~2年生の保護者を対象に2回調査を行った。 1回目調査:2019年6月~7月に実施。小学校(福島県相馬地区14校、県北地区7校、仙台市内2校)を経由して保護者に質問紙を配布し、小学校で回収してもらった。配布した質問紙数は1年生1,061、2年生1,097。質問紙は、子どもの誕生日と出産予定日、生下体重、震災時の住所、避難や転居の有無、CBQ(36項目)とSDQ(25項目)で構成。回答は保護者。保護者には研究目的や倫理的配慮事項等を記した説明書を配布し、内容を理解した上で同意書を提出してもらった。回収数は1年生で335(相馬地区113、県北地区190、仙台32)、2年生で326(相馬地区136、県北地区142、仙台48。 2回目調査:2020年1月~3月に実施。対象は1回目調査に回答した保護者。質問紙は、妊娠・出産の経過、乳幼児期の生育状況、災害時の保護者の心理ストレス、災害後のPTSD傾向、現在までの避難や移動の詳細で構成。回収数は1年生170、2年生143。 実行機能の測定方法を確定し、検査員への講習、用具等の準備を進めた。 SDQの予備分析を行った。6つの下位尺度得点から支援の必要性を、低い、少しあり、高いの3カテゴリに分類し、相馬地区、県北地区、仙台でそれぞれのカテゴリの標準的な割合と比較した。1年生では、相馬地区で向社会性を除く5つの下位尺度で、県北地区で向社会性で、標準に比べて支援の必要が高いか少し必要な子どもの割合が多かった。仙台では標準との有意な違いはなかった。2年生では、相馬地区では、向社会性、多動、むずかしさの3つの下位尺度で、県北地区では、向社会性、行為、むずかしさの3つの下位尺度で、仙台では、情緒、行為、むずかしさの3つの下位尺度で支援の必要が高いあるいは少しある子どもの割合が標準より高かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度中に家庭訪問を行って子どもの実行機能の測定を開始する予定であったが、新型コロナによる感染の恐れがあることから、家庭訪問いよる実行機能の測定を見送った。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は実行機能の測定を見送ったが、実行機能の測定方法は確定しているし、用具、検査員も確保しているので、次年度、状況に応じて実行機能の測定を開始する予定である。合わせて、感染状況が改善しない場合のために、実行機能測定の代替案についての検討を始めている。
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Research Products
(1 results)