2021 Fiscal Year Annual Research Report
発達障害特性と二次的な情緒・行動問題の媒介メカニズムに関する大規模縦断研究
Project/Area Number |
18H01086
|
Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
辻井 正次 中京大学, 現代社会学部, 教授 (20257546)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜田 恵 名古屋学芸大学, ヒューマンケア学部, 講師 (00735079)
伊藤 大幸 中部大学, 現代教育学部, 講師 (80611433)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | コホート研究 / 発達障害 / 二次障害 / 予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
社会性や対人関係の問題や多動・不注意などの発達障害的な認知・行動特性により社会生活上の困難さを持つ人々は一般母集団に広く分布している。発達障害児者は、抑うつ・不安、不登校、自傷行為、非行、触法行為などの二次的な情緒・行動上の問題を高い頻度で経験することが知られている。しかし、これまでの研究では、①一般児に見られる発達障害特性の連続的な個人差が情緒・行動問題にどう影響するのか、②交絡要因による疑似相関を調整した上で、個々の特性が情緒・行動問題にどの程度の影響を示すのか、③発達障害特性がどのような心理社会的メカニズムを媒介して情緒・行動問題につながるのか、といった重要な問題が解決されていない。本研究では、乳幼児から中学生までの約1万名を対象とした5年間の大規模コホート(縦断)調査によって、個人-環境の動的な相互作用の観点から、発達障害特性と二次的な情緒・行動問題の因果的連鎖の解明を目指している。 今年度は当初の計画通りであったが、昨年度同様に新型コロナウイルス感染症拡大により、乳幼児健診、保育所・幼稚園においての部分的な調査の中止があったものの、小学校、中学校にて調査を実施した。乳幼児健診では、1歳半健診、3歳児健診において、それぞれ約800名が調査に参加した。保育所・幼稚園では、保育士による評定と保護者による評定のいずれも約1200名のデータが得られた。小学校・中学校では、本人による評定、教師による評定、保護者による評定のいずれも約8千人の有効回答が得られた。全体では約1万人のデータを収集することができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染症の拡大により、データの収集が予定通りにはいかなかった。保健センターや保育園等で調査の一部が中止になったり、教員評定の実施の仕方の修正が必要であった。打ち合わせ等、来校が難しいことも多く、調査実施に困難さが生じている。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度以降も縦断的に調査を実施し、多様な変数の継時的変化の様相や変数間の双方向的な因果関係を検証する。 新型コロナウイルス感染症拡大の影響を見ながら、現場に無理がない研究計画を再立案しつつ、進めていく予定である。 小中学校でのオンラインでの調査実施を検討していく。
|
Research Products
(2 results)