2019 Fiscal Year Annual Research Report
言語障害児・者を対象とした包括的言語検査に基づいた認知神経心理学的評価基準の開発
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18H01092
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
種村 純 川崎医療福祉大学, リハビリテーション学部, 教授 (90289207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊集院 睦雄 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 教授 (00250192)
田村 至 北海道医療大学, リハビリテーション科学部, 教授 (00347783)
日野 泰志 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (00386567)
宇野 彰 筑波大学, 人間系, 客員研究員 (10270688)
吉畑 博代 上智大学, 言語科学研究科, 教授 (20280208)
藤原 加奈江 東北文化学園大学, 健康社会システム研究科, 教授 (20468325)
水本 豪 熊本保健科学大学, 保健科学部, 准教授 (20531635)
狐塚 順子 武蔵野大学, 人間科学部, 教授 (20735922)
時田 春樹 川崎医療福祉大学, リハビリテーション学部, 准教授 (30804108)
太田 信子 川崎医療福祉大学, リハビリテーション学部, 准教授 (50759587)
渡辺 真澄 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 准教授 (60285971)
近藤 公久 工学院大学, 情報学部(情報工学部), 教授 (60418548)
三盃 亜美 大阪教育大学, 教育学部, 講師 (60730281)
玉岡 賀津雄 名古屋大学, 人文学研究科, 教授 (70227263)
森岡 悦子 関西福祉科学大学, 保健医療学部, 教授 (70441334)
春原 則子 目白大学, 保健医療学部, 教授 (70453454)
今泉 敏 東京医療学院大学, 保健医療学部, 教授 (80122018)
吉田 敬 愛知淑徳大学, 健康医療科学部, 教授 (90387837)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 包括的言語検査 / 認知神経心理学 / 評価基準 |
Outline of Annual Research Achievements |
刺激素材を作成し、健常児・者を対象とした予備調査を行った。 1.発話:まんがの説明 「鶴の恩返し」、「サッカーボール」、「犬の散歩」の3課題の刺激絵の作成し、健常者データの収集を進めている。2.聴覚的理解:単音節・単語 100モーラを録音し標準データを収集している。また、100モーラに雑音をかけて健常者で、異調音でほぼ100%正答する単音節を決定した。単語は4モーラ単語4語1セット、ターゲットは高親密度、高・低心像性を考慮した。語特性として高親密度のみ使用するモーラ数は、4モーラ、各モーラでセットにした。品詞は名詞と動詞で、心像性は高低の両方を考慮した。3.聴覚的理解:文 刺激絵を完成し、刺激音の録音した。Jingyi Zhang先生が作成したサイコパイを使用した。4.発話:名詞呼称 小中学生のデータを取集した。再現性を検討した。5.復唱 ターゲット語は、非語の復唱に合わせて拗音は除外した。非語の復唱課題におけるターゲット語はバイモーラ頻度の低い刺激から選択した。6.音読 ターゲット語は表記妥当性を優先した。基準は、4.3以上。20語作成し、最終的に10語に絞る。漢字単語音読刺激は2種類作成する。一種類は、ひらがな、カタカナの属性に合わせた漢字単語、二種類は、非一貫非典型語(成人用)である。漢字非語音読は一貫性の高いものを選択した。7.発話:名詞呼称、書称 30語程度を選択した。ターゲット語は、名称一致率の高い語を選んだ。刺激絵を作成した。反応時間の基準を2秒、動作説明も2秒を基準とする。小学校1・2年の配当字から選んだ。書称の刺激絵の8つを作成した。呼称の絵も30個作成した。8.書取 漢字単語書取(小学1-2年配当)1・2年配当の漢字から作成した漢字二字熟語のリストから、小学校1・2年の教科書に出てくる語彙を選択した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
十分な検討を経て検査項目を確定し、予備調査に入ることができた。 発話:まんが説明では、鶴の恩返し、という誰でも知っている物語とともに、個々のコマを記述することによって談話として成立する課題と最後のコマに至る展開に推論を必要とする課題を開発することができた。また、発話評価として、失語症および言語発達障害の症候に基づく評価項目を作成した。聴覚的理解:単音節・単語・文では、プロのアナウンサーに音響学的に理想的な環境で音源を録音することができた。単音節に関しては標準音源に雑音をかけ健常者で100%正答可能な範囲を特定した。単語はその親密度と心像性の値を明らかにして選択した。単語・文ともテスト実施をプログラム化して、聴覚的理解過程を評価できるようにした。発話:名詞呼称では、広範囲の名詞について小学生、中学生および成人の予備調査データを得ることができ、再現性等に関して十分な統計学的根拠を示すことができる。復唱では、単語・非語ともにバイモーラ頻度を考慮した検査語を選択することができた。音読では、表記妥当性を基準とした基準として目標語を選択した。
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Strategy for Future Research Activity |
予備調査結果を解析し、項目案を再検討する。発話:名詞呼称では、失語症データーの収集をはじめる。動作説明の刺激作成を行う。復唱では、失語症者用と小児用に分けるべきか、データに基づいて検討する。音読では、単語および非語について失語症者において特異的な読みの誤りが出現するかどうか検討する。書字では、ターゲット語のカテゴリーについては健常者データ収集後に正答率によって再検討する。予備調査結果に基づいて記録用紙の最終版および検査器具を確定する。そして、最終的なスクリーニング項目を決定する。ヒントの提示法を含む採点法を作成しする。各下位検査の施行法や時間制限についても検討する。
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