2018 Fiscal Year Annual Research Report
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18H01101
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
林 正道 大阪大学, 国際医工情報センター, 特任助教(常勤) (50746469)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 時間知覚 / 機能的MRI / 頭頂葉 / 補足運動野 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者らの先行研究では、右下頭頂小葉と呼ばれる脳領域に時間の長さに対して感度をもつニューロン群が存在する可能性が示された(Hayashi et al., 2015 PLoS Biology)。さらに脳情報デコーディングという方法を用いて、右下頭頂小葉の活動パターンから実験参加者の見ていた刺激の時間長を予測することに成功した。この研究成果は、追加解析の結果を加えて国際学術誌に再投稿し、受理・出版された(Hayashi et al., 2018 Communications Biology)。
この研究では右下頭頂小葉以外に、補足運動野からも時間長情報が読み出せる傾向があることが示された(Hayashi et al., 2018 Communications Biology)。また、研究代表者がイタリア・オランダ・スイスのグループと行った別の研究では、補足運動野の前部から後部にかけて、短い時間長から長い時間長に選択性をもつ領域が空間的に配置された「時間マップ」が存在している可能性が示された(Protopapa, Hayashi, et al., 2019 PLoS Biology)。そこで我々は、0.2ー1秒の時間長の視覚刺激を実験参加者が見ている際に撮像したデータ・セットと、0.2ー3秒の時間長の視覚刺激を見ている際に撮像したデータ・セットを同じ解析手法で解析し、補足運動野における時間マップが、呈示される刺激の時間長のレンジに対して相対的に表現されているか、絶対的に表現されているかを検討した。その結果、実験で用いる時間長のレンジに合わせて、時間マップがスケーリングされていることが示された。これは、補足運動野については、時間長が相対的に表現されていることを示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
脳の活動パターンから時間長の情報を解読できること、また補足運動野において、時間マップが存在しており、それが実験で用いる時間長のレンジに対して相対的に表現されていることを示す論文を発表することができ、順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り、単一イベントの継続時間として時間長情報が呈示された場合と、複数のイベント間の時間間隔として呈示された場合に、同一の脳内表現によって表象されているのかを明らかにしていく予定である。
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Research Products
(13 results)