2021 Fiscal Year Annual Research Report
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18H01101
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
林 正道 国立研究開発法人情報通信研究機構, 未来ICT研究所脳情報通信融合研究センター, 研究員 (50746469)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 時間知覚 / 心理物理 / fMRI |
Outline of Annual Research Achievements |
我々の日常生活では、時間長の情報はさまざまな様式で与えられる。例えば単一の持続的な刺激の入力時間長(持続時間)として与えられる場合もあれば、複数の短い刺激の時間の間隔(間隔時間)として与えられる場合もある。今年度は昨年までの研究をさらに発展させ、持続時間および間隔時間の情報が提示される刺激の空間的位置に特異的に脳内で表現されているのかを明らかにするため、順応を用いた心理物理実験を行った。その結果、持続時間及び間隔時間のどちらにおいても、順応の効果として起こる主観的時間の変調が、左右の視野間で転移することが明らかとなったことから、これらの時間情報表現はいずれも、低次の感覚野ではなく、比較的高次な脳領域において表現されている可能性を示された。 また、これまでの我々の研究では、主に視覚刺激を用いて研究を進めてきた。しかしながら我々が時間情報を用いる場合、その情報は音楽におけるビートのように、聴覚から得られることが多い。また先行研究では視覚と聴覚における時間知覚のメカニズムは独立であるとする証拠が示されている一方で、これらが同一の神経メカニズムによるものであるとする証拠も存在する。もし時間長と同様の集団コーディングによってビートの情報が表現されているならば、聴覚刺激により一定のテンポのビート刺激(一定の時間間隔で繰り返し呈示される聴覚刺激)を与え順応すると、その後のビートの主観的な速さが変化するはずである。そこで本研究では、まず行動実験においてこの錯覚現象が起きるかを検証し、実際に錯覚が起きることを確かめた。さらにその主観的なビート知覚に関わる神経基盤を同定するための予備的なfMRI実験を行い、ビートの情報が下頭頂小葉や中前頭回といった領域に表現されている可能性が示唆された。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)