2018 Fiscal Year Annual Research Report
Psychological process underlying morbid curiosity
Project/Area Number |
18H01102
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
村山 航 高知工科大学, 総合研究所, 客員教授 (10748726)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
繁桝 博昭 高知工科大学, 情報学群, 准教授 (90447855)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 知的好奇心 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の目的は,怖いもの見たさに関する行動実験を行うことであった。2つの成果が挙げられる。1つは,怖いもの見たさが存在するかどうかを検討するために,ヴァーチャルリアリティ環境を用いた新たな実験パラダイムを考案し,そのパラダイムに基づいた実験の実施を行った。結果として,ヴァーチャルリアリティのような生態学的妥当性が高いような状況においても,人はある程度積極的に怖いもの(今回の場合はホラー映画のような刺激)をみようとすることが分かった。生理的喚起仮説に基づくと,恐怖刺激を積極的にみるときには快情動が伴うことが予測されたが,その予測は支持されなかった。むしろ好奇心仮説と一貫して,人は恐怖刺激にネガティブな感情を感じながらもみることが明らかになった。
2つは,Risk taking 課題の一種であるバルーン課題に修正を加えた課題を作成し,人はたとえある情報が結果的にネガティブな感情を生起させることを知っていても,好奇心からその情報を選んでしまう,という仮説を検討した。具体的には,あるトライアルで失敗したあとに,どうしてそのようなことになったかに関する情報を,人は積極的に求めようとするのかを調べた。いくつかのオンライン実験を行った結果,人はそうした情報を獲得するとネガティブになってしまう(たとえば後悔の感情が生じるため)にも関わらず,ときにはコストを払ってまで獲得しようとすることが示された。以上の結果は好奇心仮説を支持するものである。
よって,2つの行動実験によって,好奇心仮説の一部が支持されたと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り,1年目はいくつかの行動実験を遂行することができた。ヴァーチャルリアリティーを取り入れた実験など,今までにない試みを入れたにも関わらず,分担研究者の大きな協力のお陰で予定通り実験を遂行することができた。結果も,部分的ではあるが,本プロジェクトの目的である好奇心仮説と一貫したものが得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,今回確立した行動実験パラダイムに修正を加え,好奇心仮説を多面的に検討することが第一の目的である。また,それに加えて,機能的磁気共鳴画像法を用いたニューロイメージング実験の準備と可能なら遂行を行うことを予定している。
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Research Products
(2 results)