2018 Fiscal Year Annual Research Report
Constructing perception from action
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18H01106
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
羽倉 信宏 国立研究開発法人情報通信研究機構, 脳情報通信融合研究センター脳情報通信融合研究室, 研究員 (80505983)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 視覚意思決定 / 運動負荷 / 知覚運動連関 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、視覚意思決定場面において、運動負荷が視覚情報処理のどの要素に影響を与えるのかを調査することである。本年度は、予備実験を繰り返すことで、実験の設定、ならびにパラメータの選定を行い、本実験の一部を実施した。被験者は複数の線分の傾きが基準線よりも右、もしくは左に傾いているかどうかを判断した。そして片方の判断にかかる負荷を操作することでどのように意思決定が変容するかを調査した。当初は、判断を右手の屈曲もしくは進展することで行い、負荷はいずれかの動きを行う負荷を高めることで行った。しかし、屈曲運動の方が実行が簡単であるというバイアスから逃れることができなかったため、現在は両手にそれぞれ力センサーを持ち、力センサーを押す力の量を制御する設計にした。現在、片方の負荷を増やすと、その方向に判断を行う確率が低下することが分かってきた。現在、負荷を低下させる場合でも、「重いほう」を避けるような判断をするようになるのか、そして、負荷を避けるバイアスが果たして被験者の「判断」を変化させたのか、それとも「見え」を変化させたのかを調査する実験に入っている段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
視覚意思決定のどの側面に運動負荷が影響を与えるのかを調査するために、そして、実験環境をそのまま脳機能画像測定実験に持ち込めるようにするために、視覚刺激、および判断をする際の運動内容を先行研究とは異なる形に設定した。当初、視覚刺激の選定、ならびに、運動方法の選定に時間がかかったが、現在は無事に安定したデータが取れるようになり、本実験の一部がすでに終わっている状況である。ゆえに、今年度の前半には行動実験が終了でき、fMRI実験の予備実験に入れる可能性が固い。ゆえに、実験は順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
現在作り上げたセットアップを用いて、今後は、1)負荷の変化が視覚判断のバイアスを生むのか、それとも負荷そのものがバイアスの要因になっているのかを同定、2)負荷が視覚情報に対する判断を変化させるのか、それとも視覚情報処理そのものが変化するのかの同定、を行う。その後、その結果に基づいて脳機能画測定実験(fMRI)の予備実験を行う。
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