2019 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18H01108
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
權業 善範 東京大学, 大学院数理科学研究科, 准教授 (70634210)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 勇哉 東京大学, 大学院数理科学研究科, 助教 (20780034)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | フリップ / 相対標準因子の正値性 / 錐定理 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は数年前から行っていたSong Rak Choi氏との共同研究を仕上げた。内容は論文[10]で、高余次元の動的曲線の錐に対する森・Batyrev型の錐定理を調べた。実際証明した錐定理は森・Batyrev型の錐定理よりは弱い形でしかわからず、端射線が実際有効曲線で生成されるかどうかはよくわからなかった。証明方法は極小モデル理論の応用であり、モデルの有限性を用いて有理性定理を証明し、その錐を調べた。また中村勇哉氏とWei-Chung Chen氏との共同研究で一般化された極小対数的食い違い係数の研究も行った。実際証明したことはすでに示されている極小対数的食い違い係数の予想の一般化された偏極対への拡張を行った。半連続性予想については普通の対数的対のものから形式的な議論で従うことがわかったが、ACC予想については、これは形式的なimplicationは明らかにすることはできなかった。こちらは現在出版に向けて準備中である。さらにChrisotopher Hacon氏と相対標準因子の正値性に関する共同研究をスタートさせた。
また今年度は、MSRI, KIAS, MoscowのHigher Economics Academy, JHU, オークランド大学の研究集会に参加し、研究講演を行った。またJHUは一ヶ月滞在し、V. V. Shokurov氏とその研究室に所属している学生と研究者と議論を交わせた。これは非常に有益であった。よくにShokurov氏とのweekly seminarはとても有意義であった。いくつか予想していた当初の形を修正する必要が出てきたが、これは進歩であるといえると思う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた研究の他にも新しい研究が始められて非常に良い印象がある。また当初計画していた研究もいくつかは形としてまとまりそうに思えている。JHUやユタ大学への滞在にてShokurov氏とHacon氏と議論ができたことは研究の方向性を確固とできる部分はでき、また研究の方向修正の必要がある部分はそれが明らかにできているので非常に良い感触を持っている。したがって概ね順調であるといえると思う。
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Strategy for Future Research Activity |
向井予想型の射影空間の直積の特徴付けのvariantを研究しようと思っている。これは局所大域対応の応用である。Fano指数の組み合わせ化を行った不変量を導入しそれに対して向井条件を修正する。それにより向井条件の等号成立条件が射影空間の直積となるわけだが、等号成立するならばトーリック多様体になることがShokurovのトーリック多様体の特徴づけの一般化された偏極版として得られると思う。したがった問題はトーリックの場合に帰着されるトーリック幾何を用いてそれを証明する。これがストーリーである。また長年取り組んでいた飯高・フィーベック予想の対数化の研究も行いたいと思っている。フリップの停止問題の研究がやはりというか思いの他難航している。いくつかの予想が楽観的すぎることが判明したのでそれを修正する必要があると思われる。
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