2021 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18H01108
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
權業 善範 東京大学, 大学院数理科学研究科, 准教授 (70634210)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 勇哉 東京大学, 大学院数理科学研究科, 助教 (20780034)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | MMP |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、4~8月くらいまではある研究をしていて必要になったドリーニュ・マンフォードスタック上の消滅定理の研究を行った。9月以降はここ数年取り組んでいた向井型予想の研究の一部をまとめた。それはプレプリント" Generalized complexity of surfaces"としてarXivにおいた。向井型予想を研究した。 この向井型予想はオリジナルの向井予想は同次元の射影空間の積の特徴づけを行うのにピカール数 $\times$ ファノ指数を考えるところを全ファノ指数という新しい不変量に置き換えて定式化したものである。この研究の延長で考えられるショクロフ予想の一般対版というのが考えられるがそれを曲面の場合に解決したのがその論文である。この研究を基にした講演を The 1st Algebraic geometry Atami symposium, Korea-Japan Conference in Algebraic Geometry, 2023年度日本数学会年会代数学賞受賞講演にておこなった。 また分担者の中村勇哉氏は5/1~5/11にかけてボルチモアに滞在しShokurov氏をはじめとする研究者と議論を行った。中村氏はさらに商特異点を持つ多様体上の極小対数的食い違い係数について柴田氏との共同研究を推し進めて成果をあげた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定にあった向井型予想の研究を本腰を入れてしっかりできて、それに対して成果を上げることができた。一般次元での完全解決はできなかったもののFano多様体に対する新しい不変量が導入できたことと新しい予想を発見できたことはこの業界に対して非常に大きいと思う。したがって概ね順調に進展していると言えると思う。さらにコロナ状況が落ち着いてきたので、予定していた研究集会への参加及び研究者の招聘などができるようになっており、研究活動がかなり活性化してきたのも大きな要因と言えるだろう。この研究の内容を幸い色々な場所で講演する機会をもらい、そこで同業者からコメントや質問などを受けてとても刺激的であった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策は昨年度研究したドリーニュ・マンフォードスタック上の消滅定理を応用して研究をまとめることである。もちろん応用を念頭に研究をしていたのだが、それがうまくいくかどうか確かえめる必要がある。
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