2020 Fiscal Year Annual Research Report
Kobayashi-Hitchin correspondence and Donaldson-Tian-Yau conjecture on generalized complex geometry
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18H01120
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
後藤 竜司 大阪大学, 理学研究科, 教授 (30252571)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榎 一郎 大阪大学, 理学研究科, 准教授 (20146806)
大川 新之介 大阪大学, 理学研究科, 准教授 (60646909)
満渕 俊樹 大阪大学, その他部局等, 名誉教授 (80116102)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 一般化された複素構造 / 一般化されたケーラー構造 / ポアソン構造 / モーメント写像 / スカラー曲率 |
Outline of Annual Research Achievements |
シンプレクティック型の一般化されたケーラー多様体のスカラー曲率がモーメント写像として与えられることが示された. これは通常のケーラー幾何における藤木・ドナルドソンの「モーメントマップの枠組み」を一般化されたケーラー幾何学に拡張したものである. さて, スカラー 曲率の概念が導入されれば, スカラー曲率一定の一般化されたケーラー構造の存在, 非存在を調べることは重要な問題となってくる. この研究では, 一般化された複素多様体の自己同型群という概念を新たに導入した. 多様体の奇数次のベッチ数が零という条件の元, もし 一般化された複素多様体がスカラー曲率一定のシンプレクティック型の一般化されたケーラー構造を持てば, その自己同型群のリー環は簡約リー群となることを示した. これはケーラー幾何での松島・リヒネロビッツの定理の拡張である. さらに存在に関しては, 変形理論を用いて, スカ ラー曲率一定のシンプレクティック型の一般化されたケーラー多様体を構成することに成功し, これらの結果を論文 "Matsushima-Lichnerowicz type theorems of Lie algebra of automorphisms of generalized Kahler manifolds of symplectic type" にまとめた. この論文は mathematishe annalen に2021年掲載された. シンプレクティック型とは限らない一般化されたケーラー多様体においてもモーメント写像の視点からスカラー曲率の概念を導入した. Semi-simple Lie group の場合に, カルタン・キリング 3-form で twist されたスカラー曲率が定数となる一般化されたケーラー構造の構成を行った. これらの結果を論文にまとめ Arxiv 上に発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
松島・リヒネロビッツの定理はケーラー幾何学において最初に見つかったアインシュタイン・ケーラー計量の存在に関する障害であり, 一般化されたケーラー多様体においても松島・リヒネロビッツの型の定理が発見されたことは, モーメント写像の視点から定義したスカラー曲率が適切なものであることを示しており、今後の発展の柱石となる結果である.
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Strategy for Future Research Activity |
ポアソン構造をもう一度基礎的なところから徹底的に調べることにする. モーメント写像の視点からポアソン構造を捉え、通常のケーラー幾何での視点と合わせて新しい安定性の概念を調べることにする. ポアソンケーラー多様体においてポアソン小平埋め込み定理を確立し, ポアソン K-安定性という概念を定式化する. このポアソン K-安定性が一般化されたケーラー多様体での Donaldson-Tian-Yau 予想の鍵となると思われる.
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Research Products
(8 results)