2019 Fiscal Year Annual Research Report
タウ函数の特異極限における新しいソリトン方程式系とその応用
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18H01130
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
太田 泰広 神戸大学, 理学研究科, 教授 (10213745)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 泰彦 神戸大学, 理学研究科, 教授 (00202383)
野海 正俊 神戸大学, 理学研究科, 名誉教授 (80164672)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 函数方程式論 |
Outline of Annual Research Achievements |
従法線流によって変形する空間曲線は、局所誘導近似のもとでの三次元渦糸の運動を記述しており、曲線の複素曲率が非線形Schroedinger方程式に従う。可積分性を保存するように空間曲線およびその変形を離散化することにより、離散非線形Schroedinger方程式によって記述される離散空間曲線の変形を定式化した。半離散と全離散の非線形Schroedinger方程式に対応して、離散曲線の連続的変形と離散的変形の両方を与えた。連続、離散のそれぞれの場合に対して、二成分KP系列のタウ函数を用いることによって空間曲線の解の明示公式を導出した。局所誘導方程式の離散類似が構成され、複素曲率は連続時間または離散時間の離散非線形Schroedinger方程式に従うことが示された。無限遠方で直線に漸近する空間曲線および周期境界条件に対応する閉曲線の場合に対して、構成された離散可積分発展方程式に基づいて数値シミュレーションを行い、安定高精度に曲線の運動が記述できることが示された。曲線の座標およびFrenet枠などの関連する変数をタウ函数を用いて明示的に表示することができたので、曲線の形状および時間的変形を記述するLax方程式は二成分KP系列のタウ函数に関する双線形方程式に帰着され、ソリトン理論の直接法を用いてそれらの方程式に対する行列式解が与えられた。連続、半離散、全離散の非線形Schroedinger方程式のそれぞれの場合の明るいソリトン解に対応して、連続および離散空間曲線の変形を記述する解が構成された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
特異極限および関連するソリトン方程式系に対して、解空間の対称性に基づく理解が進んだから。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、タウ函数の特異極限における解空間の代数構造に関して、双線形形式と対称性に基づく研究を推進していく。
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