2019 Fiscal Year Annual Research Report
Quantum interference effect on the surface of topological insulators
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18H01155
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
川村 稔 国立研究開発法人理化学研究所, 創発物性科学研究センター, 専任研究員 (60391926)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | トポロジカル絶縁体 / 非弾性散乱長 / 干渉効果 / トポロジカル量子相転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
トポロジカル絶縁体薄膜を微細加工することにより、直径2 μmのリング形状試料を作製した。アハロノフ‐ボーム効果を観測することをを目的として、希釈冷凍機を用いて試料を冷却し、温度30 mKにおいて電気伝導測定をおこなった。磁場や励起電流の大きさ等を変えながら測定を試みたが、アハロノフ‐ボーム効果に対応する電気伝導度の振動現象は観測できなかった。電子波の非弾性散乱長が試料サイズに比べて短いためだと考えられる。非弾性散乱長が、電子濃度や膜厚などの薄膜試料のパラメータにどのように依存するのかを調べ、アハロノフ‐ボーム効果の観測のために最適な条件の探索をおこなっていく。 また、磁性トポロジカル絶縁体において、量子異常ホール効果状態と通常絶縁体状態の間のトポロジカル量子相転移現象の測定をおこなった。励起電流を大きくすると電子温度が上昇し、相転移が緩やかになっていく。この電流依存性と以前に測定した温度依存性[M. Kawamura et al., Phys. Rev. B 98, 140404 (2018).]の結果を組み合わせて、相転移の量子臨界点近傍における非弾性散乱長の発散の指数を決定した。非弾性散乱長は、温度を上昇するに従い、温度の-1.7の冪で減少することが分かった。この結果は、磁性トポロジカル絶縁体表面電子の非弾性散乱長が非磁性半導体に比べて、温度に敏感であることを示している。フォノン散乱に加えてマグノン散乱などの非弾性散乱の影響が強いためではないかと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
トポロジカル絶縁体表面の非弾性散乱長が想定していたよりも短く、アハロノフ‐ボーム効果の測定が当初計画よりも遅れているいる。一方、磁性トポロジカル絶縁体のトポロジカル量子相転移から、非弾性散乱長の温度依存性の冪が得られるなどの成果を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
トポロジカル絶縁体表面における非弾性散乱長を定量的に決定するために、反局在効果による正の磁気抵抗の測定を計画している。磁気抵抗曲線の解析からコヒーレンス長を決定する。温度、ゲート電圧を変えながら実験をおこない、コヒーレンス長がどのような振る舞いを示すのかを明らかにすると同時に、アハロノフ‐ボーム効果の実験に最適な実験条件を探索する。
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Research Products
(8 results)
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[Presentation] Proximity-induced Quantum Anomalous Hall Effect in (Zn,Cr)Te/(Bi,Sb)2Te3/(Zn,Cr)Te Heterostructure Film2019
Author(s)
R. Watanabe, R. Yoshimi, M. Kawamura, M. Mogi, A. Tsukazaki, X. Yu, K. Nakajima, K. S. Takahashi, M. Kawasaki, and Y. Tokura
Organizer
International symposium on hybrid quantum systems 2019
Int'l Joint Research
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