2021 Fiscal Year Annual Research Report
3 dimensional imaging of photochemical quantum magnetic compasses.
Project/Area Number |
18H01184
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
前田 公憲 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (70229300)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | クリプトクロム / 磁気感受 / 電子スピン共鳴 / 磁場効果 / 光シグナル / ラジカル対 / 電子スピン / 蛋白質 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.大腸菌によるクリプトクロムの合成:昨年に引き続き埼玉大学畠山准教授と共同してクリプトクロム合成実験を進めた。クリプトクロムの合成はおおむね成功しているが、精製するための装置がコロナ下と半導体不足の結果導入が大幅に遅れ、昨年度末に導入に成功した。現在、導入した装置を用いてサンプルの精製に着手している。そのような中で、並行してクリプトクロムに新しいコドンを導入したスピンラベル系の開発を行っている。そのためにそのテスト実験が進められている。 2.微量サンプル測定法の開発:昨年制作したキャビティシステムを利用しつつ、新たに導入した光源を適用して、究極的な時間分解型キャビティ過渡吸収装置をほぼ完成させた。この装置は昨年報告したパンププローブ型の過渡吸収とは異なり、パルストレインを用いて単発の励起により一度に時間分解および波長分解信号を測定可能となった。この手法について特許を出願した。このキャビティにおいて吸光度の100倍程度の増幅,またパルスレーザの揺らぎによるデータのばらつきを克服して,吸光度10^-4~10^-5程度の磁場効果を測定出来た. 3.色素分子とドラックデリバリタンパク質とのバインドによるラジカル対のダイナミクスとその磁場効果のまとめ:論文執筆中だが、新たに分子動力学計算を加えてバインド位置等を特定し、それらをサポートするESRデータの測定にも成功しほぼ完成した。 4.低磁場効果と磁場スイッチングによる低磁場効果の新しい解析法の発見:これまで、低磁場効果についていくつかの議論がなされてきたが、その磁場効果の形状が似ているために、メカニズムに対するスピン系のコヒーレンスの効果が明らかではなかった。磁場スイッチング法を低磁場領域で実現することに成功し、コヒーレンスの効果について明らかにしつつある。現在理論計算を含めた解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
タンパク質精製がやや遅れているが、来年度中にこれらの精製を完了できると考える。完了したのち測定したい。多次元測定にむけての測定装置開発もほぼ終わっており、研究の目的の一つである高感度測定法の特許出願も終えたため、発表が可能となった。現在それらを利用した最終的な測定と、これまでタンパク質で得られたデータの解析とそれによる論文執筆が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
クリプトクロム等のサンプル合成は進んでいるが、今後その精製過程を進めていく。さらにすでにたんぱく質にバインドした色素系におけるラジカル対のダイナミクス測定と,低磁場効果についての成果を発表する事ができる。このようにこれまでの成果の総まとめを行い公表していく。同時に新しい研究の方向として、磁場スイッチング実験の多次元化にむけた作業や任意波形発生装置を用いた反応制御研究も行なっていく。
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Research Products
(20 results)