2020 Fiscal Year Annual Research Report
metabolism-dependent microrheology of glass-forming cytoplasm
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18H01189
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
水野 大介 九州大学, 理学研究院, 教授 (30452741)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | アクティブマター / 非平衡メカニクス / 非平衡散逸 |
Outline of Annual Research Achievements |
非平衡系の振る舞いは、系の非平衡度に依存する。その両者の間の定量的関係性を観測することは、非平衡系の振る舞いを記述する基本法則を探求するための第1歩であり、非平衡統計力学における中心的な課題である。特に混み合いにより構成粒子の動力学が凍結したガラスでは、力学的エネルギーの注入により系の構造緩和が活性化されてその力学的物性に顕著な影響が及ぶ。本研究では、こうしたガラス形成物質としての細胞質に焦点を当て、代謝に伴う非熱的場(細胞内で自発的に生成される力場)により駆動されたactiveガラス状態における非平衡度(揺らぎ)と力学応答の関係を明らかにし、細胞の力学特性が決定される機序に関する理解を深めることを目指した。 具体的には、細胞や細胞モデル系のメソスケールでの揺らぎと力学応答を同時に観測できる有効な手段であるフィードバック・マイクロレオロジー測定法を用いた研究を推進した。新たに試料の代謝活性を安定的に維持・調節できる観測系を構築し、培養細胞や細胞内部の力学環境を模した細胞質モデルのMR観測を行った。これにより、注入される力学エネルギーや試料の調整条件(混雑度、ATP濃度、自発的力生成等)との関係性を定量化するための実験を行った。その結果、揺動散逸定理の破れとして観測される細胞質モデルの非平衡揺らぎは、一般的に低周波数域で周波数依存性を失い拡散的な挙動を示すことを見出し、これが、代謝活動に伴ってガラス的な細胞質に構造緩和が生じるためであることを明らかにした。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(19 results)