2019 Fiscal Year Annual Research Report
高強度光キャビティと高エネルギー負イオンの光中性化セルの開発
Project/Area Number |
18H01197
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
安藤 晃 東北大学, 工学研究科, 教授 (90182998)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津守 克嘉 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 教授 (50236949)
小室 淳史 東北大学, 工学研究科, 助教 (70733137)
高橋 和貴 東北大学, 工学研究科, 准教授 (80451491)
石 禎浩 京都大学, 複合原子力科学研究所, 准教授 (00525834)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | プラズマ・核融合 / 光中性化セル / 負イオン源 / 中性粒子入射装置 |
Outline of Annual Research Achievements |
核融合プラズマの主要な加熱手法として中性粒子入射装置(NBI)の高性能化を進めている。NBIは、水素/重水素負イオンを生成、加速、中性化後に入射する手法であるが、核融合実現にとって現状のガス中性化効率60%は不十分で、この効率が約95%となる光中性化方式を取り入れたNBI装置の開発が急がれている。この光中性化を用いた方式を実現するため、本研究では高強度のレーザー光をビームに対して定常的に照射する多重化反射構造をもった光キャビティ構造を有した中性化セルの開発を進めている。 今年度の研究期間において、光中性化セルについて計算機コードの開発を進めているが、中性化セル中を高速ビームが通過する際に、中性ガスが電離しプラズマ(ビームプラズマ)が生成する効果を取り入れたPICシミュレーションコードの開発を行った。 このコード中に高速負イオンビームに対する光中性化反応を組み込み、ガス成分との荷電交換反応も考慮に入れた中性化セル中でのビーム解析を実施し、適切なガス密度と光中性化を組み合わせることで、ほぼすべてのビームを中性化することが可能であることを見出すことが出来た。 このコード開発と同時に、光中性化セル実験に必要な負イオンビーム源の開発実験を進めた。直径26cm級の大型の高周波イオン源と、周波数が0.3MHzの高周波源を用い、水素負イオン生成とビーム引き出し実験を行った。必要なビーム強度を得るための電極構造の最適化を進めた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的である中性粒子入射装置(NBI)の高性能化に直結する光中性化方式の開発に対し、設計の助けとなるシミュレーションコードの開発が進み、また、中性化効率の計測に必要な負イオンビーム源の開発も行うことができた。必要とされるビーム強度を得るには電極最適化などまだ実施すべき点も残されているが、概ね順調に進展していると判断できる。
|
Strategy for Future Research Activity |
光中性化効率計測に必要なレーザー光の収束と光キャビティの設計を進めていく。実際に高強度レーザー光を使った実験を行うためには、負イオンビーム強度の増強が必要であるが、これらをあわせて研究を進めていく。
|
Research Products
(2 results)