2018 Fiscal Year Annual Research Report
Study of material migration in helical fusion devices
Project/Area Number |
18H01203
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
増崎 貴 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 教授 (80280593)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ヘリカル型プラズマ閉じ込め装置 / プラズマ・壁相互作用 / 核融合 / プラズマ対向材料移動 / LHD / W7-X / 方向性マテリアルプローブ / ERO2.0 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は実験と計算機シミュレーションの二本柱で進めている。 実験では、核融合科学研究所のLHDの真空容器内21カ所に方向性マテリアルプローブ(DMP)を設置し、10月から今年2月までの2018年度実験に供した。今年2月に同実験が終了した後、2019年度初めにDMPを取り出し、分析を開始している。また、ドイツのW7-Xの真空容器内12カ所に、DMPを設置した。同装置実験は7月から10月まで実施され、DMPは12月までに真空容器内から取り出された。今年1月に、研究協力者とともにW7-X真空容器内で、プラズマ対向壁の色分析を実施した。その際、取り外したDMPを受け取るとともに、同装置のプラズマ・壁相互作用研究グループリーダであるC.P. Dhard, D. Naujoksと、今後の分析について議論した。 計算機シミュレーションについては、ERO2.0コードのLHDへの適用を進めている。8月にユーリッヒ研究所に研究協力者を派遣した。同研究所のJ. Romazanovらと相談しながら、LHDのシミュレーションのための計算メッシュの構築を進めた。また、3月にもユーリッヒに研究協力者を派遣して研究をさらに進め、初期的なシミュレーションを行った。 米国プリンストン大学で開催されたプラズマ・表面相互作用国際会議に出席した。研究協力者1名も派遣し、W7-Xをはじめとするヘリカル型装置におけるプラズマ・壁相互作用研究の進展に関する情報を収集するとともに、W7-Xのプラズマ・壁相互作用研究グループリーダの一人であるS. Brezinsek(ユーリッヒ研究所)と、研究の進め方について議論した。 国内の、核融合エネルギー連合講演会、日本表面真空学会、プラズマ・核融合学会にそれぞれ参加し、研究課題に関係する議論、研究情報収集を行った。静岡大学の大矢准教授と、試料表面分析に関する打ち合わせを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績報告に記したように、研究計画は概ね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
実験については、2018年度LHDおよびW7-X実験でプラズマ実験に曝露した方向性マテリアルプローブ(DMP)の分析を進め、真空容器内各所における堆積層組成とその方向性から、堆積層形成メカニズムを検討する。新たなDMPを準備し、LHD真空容器内に設置して同装置の2019年度実験に供する。さらにLHDでは、試料駆動装置を用いたタングステン試料へのプラズマ照射によるタングステン輸送実験も行う。W7-Xにおける次回実験は、2020年度になる予定である。LHDと同様、2018年度の同装置実験に供したDMPの分析を進める。W7-Xにおける色分析について、2018年度に得た第一壁の測定データの解析を進める。2019年度はさらに、同装置の炭素姓ダイバータの色分析を行う。 計算機シミュレーションについては、引き続きERO2.0コードのLHDへの適用を進める。ユーリッヒへ研究協力者を派遣し、集中的に適用に必要な作業を進める時期を設け、同コードによるLHDのシミュレーションをさらに進める。当面は、実験で得られている真空容器内の堆積層形成データの再現を目指す。W7-Xのシミュレーションについては、ユーリッヒ研究所グループが進めている。やはり、W7-Xで得られているDMPや色分析データなどを用いて、シミュレーションの妥当性の検証などを進める。 国際会議において、本研究課題に関係する発表を積極的に行い、ヘリカル型装置におけるプラズマ対向移動研究について国際的な議論を喚起する。 国内会議においても同じく発表・議論を行うことにより、国内研究者の本研究への参加を期待する。 これらにより、本研究の目的である、ヘリカル型プラズマ閉じ込め装置におけるプラズマ対向材料移動のメカニズムを明らかにしていく。
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Research Products
(5 results)