2020 Fiscal Year Annual Research Report
The first measurement of the scattering length and the effective range of Lambda-n intearaction
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18H01220
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
金田 雅司 東北大学, 理学研究科, 助教 (00400226)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ストレンジネス核物理 / バリオン間相互作用 / 光生成反応 / 検出器開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本実験計画では、充分な統計を持った K+粒子の測定を行うことが必須である。そのために、これまでの実験よりも強度の高い光子ビームを用いた実験を行うことを計画している。過去に行われてきた実験では、光子ビームによって生成される電子・陽電子バックグランドをデータ収集時に除去せずに記録していたが、これにより高レートのビームを用いた実験ではデータ収集効率が落ち、目標とするデータ収集を行えないという問題が判明していた。 この問題を解決するために必要な検出器として、データ収集時に電子・陽電子バックグランドを除去するエアロジェル・チェレンコフ検出器の開発を昨年度に引き続いて行い、実機の制作に向けて研究を進めてた。チェレンコフ光検出のセンサーとして、KEKのBelle2実験のTOPカウンター用に開発された、マイクロ・チャンネル・プレートを用いた光電子増倍管を導入することで、物理データを収集する際に要求される性能を持つ検出器が作成可能なことを示した。 この実験では、加速器内を周回する電子ビームに炭素ワイヤー標的を挿入し制動放射を起こさせることにより生成した光子ビームを使用する。制動放射によってエネルギーを失った電子を加速器の電磁石内に設置した測定器を通過した電子のエネルギーと時刻を測定することで、光子のエネルギーと生成時刻を同定し、そのための検出器を光子標識可装置(タガー)と呼ぶ。昨年度判明したタガーの故障を受け、新規タガーの開発を完了させた。またビームを用いたテストを行い十分な性能が出ていることを確認し、本実験に向けての準備を完了させた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
物理データを収集するために必要なタガーの開発・制作を行う必要が生じた。これは、計画時には想定していなかったことである。タガーの開発・制作は完了したが、当初予定していたデータ収集は遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
開発・制作が完了した新しい光子標識化装置を用いること、その他に必要な検出器の制作を完了させ、物理データ収集に向けた準備を進めていく。
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