2021 Fiscal Year Annual Research Report
宇宙マイクロ波背景放射観測の高感度化を実現する観測システム
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18H01240
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Research Institution | Japan Synchrotron Radiation Research Institute |
Principal Investigator |
西野 玄記 公益財団法人高輝度光科学研究センター, 情報処理推進室, テニュアトラック研究員 (80706804)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 宇宙マイクロ波背景放射 / インフレーション宇宙論 / データ収集 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、宇宙マイクロ波背景放射(CMB)を観測するための技術を高度化することにより、インフレーションと呼ばれる宇宙の始まりの指数関数的な急膨張により生じたとされる原始の重力波の実験的な検証、及びニュートリノ質量和の宇宙論的な測定を実現することである。2021年度には、南米チリにおけるCMB偏光観測実験Simons Arrayの観測が再開されたことに伴って、本研究で開発を進めてきた観測制御系、環境モニター系、データ収集系及びデータ転送系などの運用を再開した。未だCOVID-19の影響による様々な制限に見舞われてはいたものの、天体観測や人工較正光源のデータ取得等による装置特性評価が進み、さらに、CMBの偏光観測データの取得なども進められた。並行して、過去の観測における観測システム(偏光信号変調システム)の理解の進展によってSimons Arrayの前身であるPOLARBEAR実験からの原始重力波起源の信号の制限(上限値)が改善され、その結果が論文として公表された。 また、宇宙観測技術の高度化の研究の成果を活かし、CMB観測にとどまらない広範な分野への応用を目指した。その一つとして、放射光実験への時刻同期システムやIoT技術の応用などを検討し、その検討結果の一部を測定システムへと実装することで本研究の有用性を示した。 さらに、2021年度からは全球測位衛星システム(GNSS)を用いた大気中の水蒸気量測定システムのCMB偏光観測への応用を目指した、チリ・アタカマ砂漠における実地検証のための観測を本格的に開始した。観測データ取得は順調に進展し、ほぼ一年間のデータが取得された。研究期間中の論文化には至らなかったが、今後も解析を継続することにより、その有効性を評価し、その結果を公表する予定である。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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