2020 Fiscal Year Annual Research Report
Spectroscopy of eta'-mesic nuclei as an approach to study of QCD vacuum
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18H01242
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
板橋 健太 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 専任研究員 (30322093)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 軸性U(1)対称性 / カイラル対称性 / イータプライム中間子 / ドイツ重イオン研究所 |
Outline of Annual Research Achievements |
プラスティックシンチレータバレル(PSB)検出器の開発に関して、前年度までにCOSY (ユーリッヒ)でのテストビームタイムで取得したデータ解析の結果を元に仕様を策定し、実機の製作を開始した。 陽子ビームを用いたCOSYでのテストビームタイムでは、検出器の時間分解能を中心に性能評価を行い、概ね必要となる仕様を満たしていることが分かった。一方、本実験で想定される計数率を超える高計数環境下では性能が劣化することも分かったため、追加的にアンプの設計を変更し、テストベンチで最適化を行い、十分な安全係数をもって仕様を満たすことを確認した。 48 枚のプラスチックカウンターを円筒型に配置するPSBの支持構造を設計製作した。PSB は、内側にストローチューブ検出器、外側には超伝導ソレノイドが配置される形でインストールされる。そのため動径方向のクリアランスは合計数ミリ程度しかない。また、支持構造の部材は、非磁性であることが必要である。自重による撓みを見積もり、数値計算により精密に評価することで、強度と厚みや形状を最適化し、実機の設計・製作を行った。 実機の製作は、国内(理研)で行い、実際に撓み等の計測を行うと同時に、インストール方法、遮光方法等の確認を行った。また、多数のプラスチックカウンターに同時に電圧を印加し、読み出す方法、ノイズのレベル、データ収集系等の確認と最適化を行い、本番環境でのインストールの準備を行った。 上記と平行して2020/6月には,ドイツ重イオン研究所で本実験と同じ(陽子)ビームを用いたテスト実験を行った。検出器の一部を設置するなどして、検出原理に大きな問題がないことを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
テスト実験のデータ解析等を通して検出器の開発は完了し、実機の設計製作はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
ドイツ重イオン研究所で本実験を実施し、η′核分光データの取得をめざす。
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