2021 Fiscal Year Annual Research Report
Spectroscopy of eta'-mesic nuclei as an approach to study of QCD vacuum
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18H01242
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
板橋 健太 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 専任研究員 (30322093)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 軸性U(1)対称性 / カイラル対称性 / イータプライム中間子 / ドイツ重イオン研究所 |
Outline of Annual Research Achievements |
ドイツ重イオン研究所(GSI)にて本研究の主要な目的であるS490実験を2022/2月に実施した。研究代表者は実験代表者として現地において全体を統括した。 準備段階では、本科研費補助金により国内で、円筒型プラスチックシンチレータバレル検出器(PSB)の実機を製作し性能検査を行った。検査後、電圧印加装置、トリガー及び読み出し回路等と共に、PSB をドイツ重イオン研究所に移送した。 現地では、ストローチューブ検出器、超伝導ソレノイド磁石、CsI カロリーメータ等から構成されるWASA検出器に組み付けた。十分な設計組み立て精度がえられたため、検出器間の合計数ミリ程度しかないクリアランス内で組み付ける事ができた。 次に、宇宙線等を用いて磁場ゼロ環境下での性能テストを実施した。他の検出器群との相関等を測定することで、較正を行いながら性能の最適化を行った。2021/11月から、磁場 1 T 環境での性能評価を行い良好な結果をえた。2022/1月には、陽子ビームを用いた検出器コミッショニングを実施し、検出器、読み出しシステム、解析・モニターソフトウエア等の準備を完了した。 2022/2 月、約一週間、陽子ビームを用い 12C(p,dp) 反応による準排他的測定による本実験を行った。加速器やソレノイド冷却系の問題、ヘリウムガスの入手困難などの問題があったものの、検出器群は概ね順調に動作し、最終的にプロポーザルの見積もりに対して 106% の統計量という、高品質・高統計のデータ取得に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍で多くの実験が延期されるなか、いち早く準備が完了したため、前倒ししてビームタイムを実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
実験データの解析を行い、η′核の分光をめざす。
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