2018 Fiscal Year Annual Research Report
彗星塵の形成年代に基づく彗星集積時期と原始太陽系ガス円盤散逸時期の推定
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18H01263
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| Research Institution | Tohoku University |
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Principal Investigator |
中嶋 大輔 東北大学, 理学研究科, 講師 (90734757)
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| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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| Keywords | コンドリュール様彗星塵 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
惑星の材料である微惑星は，彗星や小惑星として現在の太陽系に存在している．彗星からは，直径1mm以下の微小な塵(彗星塵)が地球に飛来している．彗星塵の物質科学的研究から，彗星の材料物質は，太陽系内側領域で形成した後に原始太陽系ガス円盤中を通って太陽系外縁部へと輸送され，彗星を作ったと考えられている．よって，ガス円盤の散逸は彗星材料物質形成後に起こったと考えられる．本研究は，彗星塵の26Al-26Mg同位体年代測定を行い，彗星材料物質の形成年代を決定する．これにより，①太陽系年代学の重要な課題である微惑星の集積時期に制約を与えるとともに，②惑星形成過程に関わる重要な課題である原始太陽系ガス円盤の散逸時期に制約を与える．
一年目では、同位体比分析を行う彗星塵候補試料の選定、放射光X線回折分析、樹脂包埋、研磨、表面観察、元素組成分析を行う予定であった。しかし、【現在までの進捗状況】で説明するように、目標とする数の候補試料を得ることができなかった。
非破壊の放射光X線回折分析により、NASAや東北大学の研究協力者から供された候補試料のうち数個程度が彗星塵に特徴的な結晶質の珪酸塩を有することが分かった。これらの樹脂包埋・研磨・加工を行っているところである。その中で一つは、始原的小惑星由来の隕石に普遍的に含まれる珪酸塩球粒物質コンドリュールと極めて類似した組織が観察された。小惑星と彗星が共通の物質を有することを示唆する結果である。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
【研究実績の概要】で述べたように、平成30年度では、同位体比分析を行う彗星塵試料の選定、樹脂包埋、研磨、表面観察、元素組成分析を行う予定であった。同年度末にNASAから新たに彗星塵試料を借り受ける予定であった。しかし、平成31年1月、米国連邦政府予算不成立のために、政府機関が閉鎖された。彗星塵試料を提供するNASAジョンソン宇宙センター(JSC)も閉鎖され試料受け取りの時期が遅れた。結果、目標とする試料数を確保できなかった。
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| Strategy for Future Research Activity |
今後の予定は、新たにNASAから供される彗星塵試料の鉱物化学的分析、樹脂包埋、研磨、表面観察、元素組成分析、酸素同位体比分析を行う。酸素同位体比分析については、研究協力者と共にウィスコンシン大学の二次イオン質量分析を用いて行う。その中で、26Al-26Mg同位体年代測定が可能な斜長石やガラスを含む彗星塵を発見したいと考えている。
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