2020 Fiscal Year Annual Research Report
彗星塵の形成年代に基づく彗星集積時期と原始太陽系ガス円盤散逸時期の推定
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18H01263
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中嶋 大輔 東北大学, 理学研究科, 講師 (90734757)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 彗星塵 / 斜長石 / 酸素同位体比分析 / 26Al-26Mg同位体年代 |
Outline of Annual Research Achievements |
惑星の材料である微惑星は彗星や小惑星として現在の太陽系に存在している。彗星からは、直径1mm以下の微小な塵(彗星塵)が地球に飛来している。彗星塵の物質科学的研究から、彗星の材料物質は、太陽系内側領域で形成した後に原始太陽系ガス円盤中を通って太陽系外縁部へと輸送され、彗星を作ったと考えられている。よって、ガス円盤の散逸は彗星材料物質形成後に起こったと考えられる。本研究は、彗星塵の26Al-26Mg同位体年代測定を行い、彗星材料物質の形成年代を決定する。これにより、①太陽系年代学の重要な課題である微惑星の集積時期に制約を与えるとともに、②惑星形成過程に関わる重要な課題である原始太陽系ガス円盤の散逸時期に制約を与える。 2020年6月にウィスコンシン大学の二次イオン質量分析計を用いて候補試料の酸素同位体比分析を行い、全て彗星起源であることがわかった。うち、1試料には形成年代決定に必要な斜長石が含まれていた。 2022年3月にウィスコンシン大学の二次イオン質量分析計を用いて彗星塵斜長石の26Al-26Mg同位体年代測定を行った。その結果、彗星塵斜長石は26Mgの過剰を示さなかった。このことは、26Alが壊変した後に彗星塵斜長石が結晶化したことを示唆する。26Al/27Al初期比の誤差から見積もられる彗星塵斜長石の結晶化年代は太陽系形成開始から390万年後となり、先行研究の260万年よりも長い。彗星集積時期および原始太陽系ガス円盤の散逸時期は、これまで考えられていたよりも遅いことが分かった。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)