2018 Fiscal Year Annual Research Report
太陽系天体着陸探査における元素・同位体分析に向けた計測システムの構築
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18H01264
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
笠原 慧 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (00550500)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
巽 瑛理 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 特任研究員 (60623197)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 惑星探査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,2020年代の惑星着陸探査に向けて小型軽量な質量分析システムを開発している.惑星の起源と進化を探るうえで,惑星の元素組成や同位体比は極めて重要な情報である.このため,惑星探査において元素分析は最重要観測項目の一つとなっている.ところが,固体物質の「その場・多点」質量分析は,複雑な機構のロボティックアームの実装が想定されるなど,工学的ハードルの高さゆえに日本の探査機での実施が困難であった.そこで本研究では,サンプルハンドリング機構無しで固体物質の元素分析が可能な,シンプルで小型軽量の質量分析システムを開発している.この技術が成功すれば,日本の中型・小型・超小型探査機による,月・火星および小天体の固体物質分析の現実性は飛躍的に増し,多種多様な惑星科学ミッションの可能性が広がる. これまでに申請者らが実施してきた質量分析は電離圏から磁気圏といった超高真空下での観測であったが,火星着陸探査を想定するときに大きく異なるのが,周囲の大気の存在である.質量分析器の検出素子周囲は,ポンプを取り付けて超高真空を確保する必要がある.一方で,分析器の入射部は,サンプルガスを適切な量だけ導入するために,バルブ開閉が必要となる. 2018年度(および繰り越して2019年度)は最初のステップとして,真空計をモニタしつつ,リークバルブの開閉を制御するシステムの構築に取り組んだ.現在までに,バルブ制御用の電子回路基板と制御用ソフトを製作し,検証試験用に真空容器・真空計・バルブ等を準備した.制御系の検証作業が次の課題である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
バルブ制御用の電子回路基板と制御用ソフトの製作に想定したよりも時間がかかったため,その検証作業が今後の課題となっている.
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画の変更や遂行上の大きな問題はない. 上記のような検証作業を進めていく予定である.
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Research Products
(1 results)