2019 Fiscal Year Annual Research Report
High-speed and wide-field survey for trans-Neptunian objects
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18H01272
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
渡部 潤一 国立天文台, 天文情報センター, 教授 (50201190)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒向 重行 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (90533563)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 固体惑星 / 惑星形成 / 衛星 / 惑星進化 / 小惑星 |
Outline of Annual Research Achievements |
東京大学天文学教育研究センター木曽観測所(長野県木曽郡)105cmシュミット望遠鏡用の広視野動画カメラTomo-e Gozenに搭載する84チップの高感度CMOSセンサを駆動するための高速デジタル通信エレクトロニクスを開発しカメラに搭載した。また、Tomo-e Gozenが生成する広域動画ビッグデータを効率良く管理するためのデータベースとデータハンドリングソフトウエアを開発した。8月にはTomo-e Gozenの性能試験観測を木曽観測所にて実施した。この間にtrans-Neptunian objectクワオアーによる恒星掩蔽現象の高速連続観測を実施した。得られた掩蔽の光度曲線データからクワオアーが16ナノバール以上の表面気圧の大気を持たないことを示した。試験観測によりTomo-e Gozenシステムが設計性能に達していることを確認できたため、9月30日に長野県木曽合同庁舎にてTomo-e Gozenの完成記者発表を行った。10月からは2フレーム/秒の広域動画サーベイ観測を星密度の高い黄道面(黄道面と銀河面が交差する天域)に対して継続的に実施し、大規模な観測データを獲得するとともに、自動で光度曲線を得るパイプラインと変動を検出するソフトウエアの開発を進めた。また、trans-Neptunian objectsの誤検出の原因となる大気ゆらぎやスペースデブリの影響を観測データを用いて調査した。理論モデルとの比較については6月にスロバキアのブラチスラバで開催されたMeteoroids 2019にて関係分野の研究者と情報共有し議論を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Tomo-e Gozenカメラは当初、平成31年4月の完成を予定していたが、デジタル通信部の不具合と自動観測ソフトウエアの開発に遅延が生じたため、その対応のために完成が令和元年9月にずれ込んだ。これによりTomo-e Gozenによる広域動画データの取得の開始が計画より約半年遅延した。しかし、その後に観測人員の強化と効率的な自動観測ソフトウエアを実現したことにより、現在遅れを取り戻しつつある。そのため研究全体としては順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度は掩蔽現象の検出ソフトウエアの開発と解析済みデータを格納・配布するデータベースシステムを開発する。検出ソフトウエアは東京大学木曽観測所内に、データベースシステムは東京大学本郷キャンパス内(東京都文京区)にそれぞれ設置した計算機に実装する。Tomo-e Gozenを用いて黄道面と星密度の高い銀河面が交差する領域の広域動画観測を数週間にわたり集中的に実施する。大量の背景星の光度曲線を解析することでtrans-Neptunian objectの掩蔽に起因する短時間変動を検出する。また、既知のtrans-Neptunian objectの掩蔽現象を高速観測することで、大気の有無や表面形状の導出を目指す。観測を長期間安定に実施するために装置整備と観測実行を補助する技術専門員を雇用する。また、本研究での研究成果を国際研究会で発表する。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] New Constraint on the Atmosphere of (50000) Quaoar from a Stellar Occultation2019
Author(s)
Arimatsu K, Ohsawa R, Hashimoto G L., Urakawa S, Takahashi J, Tozuka M, Itoh Y, Yamashita M, Usui F, Aoki T, Arima N, Doi M, Ichiki M, Ikeda S, Ita Y, Kasuga T, Kobayashi N, Kokubo M, Konishi M, Maehara H, Matsunaga N, Miyata T, Morii M, Morokuma T, Motohara K, Nakada Y, Sako S, Watanabe J, and 10 authors
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Journal Title
The Astronomical Journal
Volume: 158
Pages: 236~236
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] An optical search for transients lasting a few seconds2019
Author(s)
Richmond M W, Tanaka M, Morokuma T, Sako S, Ohsawa R, Arima N, Tominaga N, Doi M, Aoki T, Arimatsu K, Ichiki M, Ikeda S, Ita Y, Kasuga T, Kawabata K S, Kawakita H, Kobayashi N, Kokubo M, Konishi M, Maehara H, Mito H, Miyata T, Mori Y, Morii M, Motohara K, Nakada Y, Okumura S, Watanabe J, and 12 authors
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Journal Title
Publications of the Astronomical Society of Japan
Volume: 72
Pages: 3~3
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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