2019 Fiscal Year Annual Research Report
The Whole Pictures of the Kanto Earthquake Sequence Revealed by Historical Seismograms
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18H01289
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三宅 弘恵 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 准教授 (90401265)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
室谷 智子 独立行政法人国立科学博物館, 理工学研究部, 研究主幹 (40646593)
纐纈 一起 東京大学, 地震研究所, 教授 (90134634)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 関東地震 / 古記録 / 震度 / 震源インバージョン / 強震動シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
1923年関東地震では、翌日までにマグニチュード7クラスの余震が震源域で少なくとも4つ発生したとされている。しかし、この全容を解明した研究はかつて実施されていない。本研究では、関東地震とその余震群について、国内と海外の古地震記録を可能な限り収集・分析し、関東地震の一連の震源過程を解明するとともに、これらの総和としての歴史震度分布を再現する。その際、最新の震源過程解析手法と高精度の地下構造モデルを用いることにより、関東地震シーケンス全体の断層破壊のメカニズムとその物理を明らかにする。そして、その結果が影響する首都直下地震の地震ハザード評価を革新することを目指す。
初年度に開始した国内外に存在する関東地震の本震のみならず余震群の古地震記録の収集結果(Murotani et al., 2019; 室谷・他, 2020)に基づき、関東地震とその余震群の震源過程を検討した。また、最新の関東地域の地下構造モデルを用いて、震度分布に着目した中小地震の地震動再現度を確認した(三宅・他, 2020)。本年度は、地震動予測式に基づく簡便法により強震動を試算し、浅部地震波速度の時空間変化に伴い震度増分が経験式よりも増える事例について、定量的に調査した(Miyake et al., 2020)。また、当時の震源決定精度に鑑み、本震ならびに余震群の震源深さが震度分布に及ぼす感度解析を試算した。この他、広帯域地震動シミュレーションの実施に向けた準備を行った(Miyake et al., 2020)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1923年関東地震および余震群の古記録収集とデジタイズ化が予定通り進み、古記録の倍率と減衰等について検討を進めた。また、本震ならびに余震群の震源深さが震度分布に及ぼす感度解析の試算を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
地震動予測式に基づく簡便法および地震動シミュレーションに基づく詳細法による強震動予測を行い、既存の関東地震のモデルから得られる震度分布と、本研究で得られる余震群から得られる震度分布の総和として歴史震度分布を計算し、研究のとりまとめを行う。
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