2022 Fiscal Year Annual Research Report
重力/歪・傾斜の連続観測と宇宙線透視の連携で拓く、火山体内部診断学
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18H01305
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大久保 修平 東京大学, 地震研究所, 名誉教授 (30152078)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 竜一 東京大学, 地震研究所, 助教 (10835101)
田中 宏幸 東京大学, 地震研究所, 教授 (20503858)
山本 圭吾 京都大学, 防災研究所, 助教 (40283676)
井口 正人 京都大学, 防災研究所, 教授 (60144391)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 重力 / 地殻変動 / 火道 / 火山噴火 |
Outline of Annual Research Achievements |
桜島火山について、前年度までに得られた重力連続観測データと歪・傾斜連続観測データとの統合解析をするために、以下の補正計算を実施した。(1) 重力データに含まれる火山活動に由来するシグナルを抽出するため、降雨等の環境変動が及ぼす重力擾乱を数値シミュレーションによる補正及び (2) 地下水の潮汐振動の物理モデリングである。前者はすでに研究代表者らによる補正法が確立しているので、計算プログラムを容易に走らせることができた。一方、後者については、これまでの地下水潮汐の研究では、潮汐振動する海面が引き起こす火山島内帯水層への水の水平移動しか考慮されていなかった。そのため、桜島島内の地下水位の潮汐振幅と位相とを同時には十分な精度で再現することができていなかった。本研究では、帯水層に空隙媒質の弾性論を適用し、潮汐歪にともなう地下水の鉛直流動も考慮したハイブリッドモデルを考案した。その結果、実際の観測値の振幅と位相とを同時に良好な精度で再現することができた。これにより、地下水潮汐が及ぼす地上重力の変動の予測と補正とが可能になった。 霧島山新燃岳については、2018年の噴火時の重力データの解析をすすめるとともに、気象庁や京都大学等の関連機関の地殻変動データを解析した。6kmにある深部マグマだまりの膨張収縮に敏感なデータと、火口直下浅部マグマだまりに敏感なデータとを比較対照し、質量移動の推移を重力変化から推定した。その結果、火道内をマグマが移動するのに要するタイムスケールが6~12時間であることがわかった。 点圧力源による地殻変動・重力変動のモデル化には、従来から半無限媒質の解析解が用いられることが多かった。しかし、実際の火山地形はそれから外れているのは明らかであるので、地形の第一近似として無限円錐をとり、その下においた点圧力源によって生じる地殻変動の解を解析的に求めることに成功した。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)