2020 Fiscal Year Annual Research Report
Rheology of the plate interface from shallow to deep subduction zone: effects of fluids and prograde metamorphism
Project/Area Number |
18H01318
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
岡崎 啓史 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 超先鋭研究開発部門(高知コア研究所), 研究員 (90784257)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 沈み込み帯 / 地震 / スロー地震 / プレートテクトニクス / 岩石レオロジー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はプレート境界に存在すると考えられる物質(=変成岩)の力学特性が沈み込みに伴う連続的な変成反応によってどのように変化するのか解明することを目的とした。令和2年度までにおいて、南海トラフに沈み込んでいると考えられる緑色片岩をはじめとする塩基性片岩の高温高圧下における変形実験をおこなった。変形実験により、塩基性片岩は低摩擦係数を示す鉱物である緑泥石の量が相対的に減少することによって、変成反応の進行とともに強度が上がることがわかった。この変成反応に伴い塩基性片岩でおもに構成される沈み込む海洋地殻の強度は、含水マントル物質である蛇紋岩の強度をちょうどマントルウェッジに相当する深さで超えるようになる。これはマントルウェッジ周辺において、プレート境界に相当する変形集中帯が海洋プレート内からマントルウェッジ内にスイッチすることを意味する。本研究成果は2019年にTectonophysics誌において報告済みである(Okazaki and Hirth, 2019, Tectonophysics)。さらに試料中の水の量を変化させて高温高圧下において岩石を変形させることにより、岩石の強度に対する水の量(水/岩石比)と水の圧力(間隙水圧)の効果を独立で見極め、それぞれを定式化することに成功した。本研究からは沈み込み帯で通常考えられている間隙水圧の不均一性よりも、水の量の不均一性の方が沈み込み帯におけるすべり挙動の多様性をもたらしている可能性が高いことを明らかにすることができた。本研究成果についてもすでに報告済みである(French, Okazaki and Hirth, 2019, Tectonophysics; Okazaki et al., 2021, JGR)。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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