2019 Fiscal Year Annual Research Report
Realization of high-quality, low-dimensional joining interface and its application for creating thermoelectric power function
Project/Area Number |
18H01331
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
燈明 泰成 東北大学, 工学研究科, 教授 (50374955)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 金属細線 / 金属薄板 / 接合界面 / 品質 / 熱電機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.異種金属薄板の接合飛躍と品質評価 同種金属薄板同士の接合の知見を活用して、異種金属薄板同士の接合を試みた。鉄、アルミニウム、ニッケルなど、様々な金属の組合せで異種金属接合部を含む熱電回路を構築して熱電変換性能を評価した。ここに異種金属部を細線ヒータにより加熱することで回路内に温度差を生じさせ、発生した熱起電力を測定した。異種金属の組合せによる熱電変換性能の相異を明らかにした。 2.蒸着接合界面の品質評価への応用 金属薄板の抵抗接合界面で確立した品質評価手法を、応募者らが提案している薄板型熱発電機の核となる金属薄板に金属薄膜を蒸着した蒸着接合界面に応用した。ここに電気的特性測定に加えて、蒸着接合界面を超音波顕微鏡観察して界面に存在する欠陥や密着性を非破壊的に評価することにより、優れた熱電変換性能を有する接合界面が選別できる可能性を見出した。また抵抗溶接部の超音波画像を適切な手法で二値化処理することにより、接合面積が精度良く推定できることを明らかにした。 3.蒸着接合界面の熱電変換性能向上 接合界面の物性や幾何学的特徴が薄板型熱発電機の熱電変換性能に及ぼす影響を調査した。鉄薄板を様々な温度で酸化させて作製した薄板型熱発電機の熱電変換性能を評価したところ、酸化温度により性能が大きく異なることを確認した。これは酸化温度によって異なる鉄酸化物が形成されるためであった。ゼーベック係数と内部抵抗との間に相関があるという固体物理の知見を基に、当該熱発電機の最大出力を予測する理論モデルを構築した。また鉄薄板に微細な幾何学パターンを施すことにより当該熱発電機の熱電変換性能が向上することを確認した。金属蒸着薄膜に関し、電流を用いた熱処理により結晶粒を成長させることで、集束イオンビームによるエッチング加工性が向上することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に記載のとおり、申請時に計画した研究を遂行し、異種金属薄板同士の接合を試みると共に、異種金属の組合せによる熱電変換性能の相異を明らかにしている。さらに蒸着接合界面を超音波顕微鏡により評価することで優れた熱電変換性能を有する接合界面が選別できる可能性を見出している。また鉄薄板を酸化することにより熱電変換性能が向上すると共に、当該熱発電機の最大出力を予測する理論モデルを構築するなど、進展は順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
熱電変換性能を向上させた複数の薄板型熱発電機の中から良品のみを選別して積層することにより、従来にない高効率な積層型熱発電機を完成させる。さらに試作した積層型高効率熱発電機を活用し、体温と外環境との20度程度の低温度差からの発電を実現し、これを利用して無電源下で生体情報を取得することに挑戦する。
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