2019 Fiscal Year Annual Research Report
構造最適化・積層造形・毛管現象による三次元負熱膨張Ti/Mg複合材料の開発
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18H01351
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
竹澤 晃弘 広島大学, 工学研究科, 准教授 (10452608)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹中 康司 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (60283454)
小橋 真 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (90225483)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 負熱膨張材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
負熱膨張材料の実現法の一つとして,熱膨張率の異なる複数の材料と空孔を適切にレイアウトした複合材料により,巨視的な負熱膨張を生み出す手法がある.この手法には自在に剛性や負熱膨張度合いを設計可能という利点がある.しかし,既存の研究では樹脂が中心であり,剛性や有効温度帯に難があり,熱的に物性が安定な金属で効果的に構造を実現する製法は未だ確率されていない.そこで本研究では,溶融MgがTiに対し高い濡れ性を示す点に着目し,積層造形で微細構造を含むTi下地を作成し,その微細構造に毛管現象(液体が表面張力で細管を進行する現象) で溶融Mg を浸透させ,部分的な複合材料を形成させるという製造プロセスと,構造最適化によるメカニズムの最適設計を活用し,負熱膨張金属複合材料を開発する.本年度はTi/Mg の複合材料の製作実験を中心に行った.具体的には,所有する金属3DプリンタをTi等の反応性金属が扱えるようにアップグレードを行い,実際にTi下地の造形を行い,その後真空炉を用いて溶融Mgの浸透が可能であるかの検証を行った.その結果,溶融Mgの浸透力はTiと複合材料を形成するには不十分なことがわかり,計画の見直しが必要なことがわかった. 現在有力な代替手法は,樹脂バインダーの中に金属粉末を含有させて3Dプリンタ用のフィラメント材料を作成し,更に複数ノズルでの造形が可能な3Dプリンタで複合材料を作製し,その後真空炉で焼結させる方法である.この場合,使用する金属はTiとMgではなく,融点が近いが,熱膨張率が異なる金属の組み合わせになる.本年度はこの代替手法について設備を整えた後に試作実験を行い,製法として成立することを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していた製法に問題点が見つかり,研究計画としては遅れが生じている.しかし,代替手法の検討を素早く行ったため,最終的な研究目的の達成は不可能ではないと考える.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度検討した代替手法を用いて負熱膨張複合材料の試作実験を進める.最適設計についてはほぼ完了しているため,試作実験に注力する.
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