2019 Fiscal Year Annual Research Report
光触媒援用トランスファプリントによる酸化グラフェン積層膜の微細構造化
Project/Area Number |
18H01352
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
金子 新 首都大学東京, システムデザイン研究科, 准教授 (30347273)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 伊織 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任研究員 (70792266)
諸貫 信行 首都大学東京, システムデザイン研究科, 教授 (90166463)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | トランスファプリント / MEMS / ナノ粒子 / Au / 酸化グラフェン |
Outline of Annual Research Achievements |
Au薄膜のトランスファプリント(TP)と酸化グラフェン(GO)ナノ粒子のインクジェット成膜を複合し,GO/Auマイクロ振動子を試作した.TP用に凸部幅150μmのスタンプ,そして幅300μm,深さ20μmの微細溝をもつ基板を用意した.この基板にトランスファプリントし,長さ300μmのAu製の両もち梁構造を作製した.トランスファプリントしたAu薄膜へGOナノ粒子膜を成膜するため,各種の表面改質法(プラズマ照射,紫外線照射,自己組織化単分子膜)による濡れ性改善を行い,適切なプロセス条件等を明らかにした.静電吸着とインクジェットプロセスによりGOナノ粒子の成膜を試み,様々な検討の結果としてインクジェットプロセスが妥当であることを明らかにした.その結果,GO/Auマイクロ振動子の試作に成功した.このマイクロ振動子の下部には,電極として酸化インジウムスズ(ITO)が配置されており,電圧を印加することでマイクロ振動子が静電駆動することを実証した.印加電圧値とともにマイクロ振動子の変位は増加し,150Vの電圧印加で振動子が250nm程度たわむことをレーザ変位計により確認した.このたわみ(マイクロ振動子の変位)は,GO/Au薄膜の材料特性の公称値から推定された数値よりも小さく,トランスファプリントしたAu薄膜に張力が発生していることが示唆された.印加電圧を交流波形としてとき,交流の電圧を印加した場合の振動子の変位を同様に測定し,2kHz以上でも振動することを明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は,酸化グラフェン(GO)ナノ粒子とAuの積層膜のトランスファプリントによるマイクロ振動子の試作を中心に実施した.マイクロ振動子作製手法の一部は当初計画から修正したものの,研究内容は本質的に変更しておらず,研究全体としては予定どおりに進行している.GOナノ粒子の成膜方法は静電吸着を主体で考えていたが,様々な実験的検討の結果としてインクジェットプロセスを併用することが適切であり,同プロセスの採用によってマイクロ振動子全体の試作スケジュールを早めることができた.これらのことを考慮すると,研究の進捗は順調であり,概ね計画通りに進行していると判断できる.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度(2020年度)が最終年度であるため,研究計画に沿って残された課題解決を進め,かつ全体の研究成果に対する総括を行う.研究成果の客観的評価と発展のための助言を頂くため,関連研究者を交えた研究交流会を実施予定である.特に次年度はオンラインミーティングが主体となるため,遠隔地の研究者にご参加いただき,ビデオ通話やチャットツールなどのオンラインミーティングならでは利点を活かした活発なディスカッションにより研究をより発展させる.
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Research Products
(10 results)