2019 Fiscal Year Annual Research Report
Single-shot 3D nano surface profilometry by using wide field laser scanning interferometer
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18H01360
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
新田 勇 新潟大学, 自然科学系, 教授 (30159082)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | Laser interferometry / Wide field of view / Saw tooth / Single shot / Metal coated reference |
Outline of Annual Research Achievements |
本計測手法は機上計測が可能な振動に強い干渉計測方法である.これを確認するため振動下での形状計測を行った.試験片はSiウエハで,参照板はBK7光学平行平面基板(□25mm,厚さ5mm,面精度:λ/20, 30nm)にFeを成膜したものを用いた.両者の形状はコンパクトレーザ干渉計 F601(球面測定,フジノン)および超精密非接触三次元測定装置(NH-3SP,三鷹光器)であらかじめ計測した.万能フライス盤2UMDとNCフライス盤MHA350の加工テーブルの振動加速度振幅を計測し,加振用小型モータで広視野レーザ顕微鏡の観察ステージに同程度の振動を加えられるようにした.ちなみに,振動加速度振幅はおよそ±0.2m/s2であった.次に,レーザ変位計により広視野レーザ顕微鏡の観察ステージ上下移動量を調べたところ8mm移動中で800nmであった.結果的に振動振幅の影響よりも,観察ステージのしゅう動面形状が干渉計測に及ぼす影響が大きいことが分かった.次に,広視野レーザ顕微鏡により観察面の干渉縞画像を取得した.観察対象領域は10mm×8mmである.広視野レーザ顕微鏡観察ステージの上下動は800nmもあるが,干渉縞画像にはそのような上下動が存在する影響は見られなかった.次に,干渉縞生成部分の10mm×8mmの範囲の中で3つの縦方向(画像の左端,中央,右端)の形状を比較した.その結果,20nm程度以内で両者はよく一致しており,本手法が振動に強い計測手法であることが示せた. これまでに開発した干渉縞解析ソフトの性能を調べた.単純傾斜形状と凸形状あるいは凹形状の観察面に対して生じる干渉縞を計算機上で作成した.これらの干渉縞を干渉縞解析ソフトで解析し,元の形状が再現できるかを調べた.単純傾斜形状は問題なく再現できたが凹形状や凸形状では形状の再現性が悪いところが見られた.これについては次年度改善予定である
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの研究成果で作り上げた広視野レーザ走査干渉計は従来技術に比べて約400倍広い視野空間のナノ精度3次元形状計測を可能とする.申請者は参照板に金属薄膜を成膜することで,1枚の画像からでも形状が決定できる新規のワンショット手法を発見した.そこで,広視野領域に対しても1枚の画像取得のみで全体形状をナノ精度で決定できる,世界初の新規ワンショット形状計測手法を確立し,形状計測システムとして纏め上げることを本研究の目的としている. 今年度は,本測定手法が振動などの外乱に強い計測手法であることが確かめられた.これにより,工作機械テーブル上で加工物を取り外さずに形状計測ができることを示すものであり,実用化に近づいていることを意味している.また,干渉縞解析ソフトの不得意な干渉縞パターンが特定できたので,ソフトウェア改善の足がかりを得ることができた. これらの点から,本研究課題は順調に進んでいると判断できる.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究はこれまでのところ順調に推移しており,残すところは干渉縞解析ソフトの完成度を上げることである.今年度の研究で,干渉縞解析ソフトの弱点となる干渉縞パターンが分かったのでアルゴリズムを改良して弱点を克服する予定である. また,広視野レーザ干渉計についても,より速い観察速度と,より広い観察領域に向けたハード的な改良を行う予定である.
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