2018 Fiscal Year Annual Research Report
Prediction of peeling of endothelial cells by magnetic-resonance-imaging measurement-integrated blood flow simulation
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18H01363
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
早瀬 敏幸 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (30135313)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下山 幸治 東北大学, 流体科学研究所, 准教授 (80447185)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | MRI計測融合血流シミュレーション / 大動脈 / 血流場 / 内皮細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
血管表面の内皮細胞のはく離は、動脈硬化や動脈瘤などの血管病変の発症の引き金になることが指摘されているが、その機序は未だ十分に理解されていない。本研究は、内皮細胞のはく離を引き起こす血管表面近傍の血流の流体力学的作用を明らかにすることにより内皮細胞はく離の予測を可能とするため、動脈瘤などの循環器系疾患の好発部位である大動脈を対象として、核磁気共鳴画像計測融合血流シミュレーションにより血管壁近傍の詳細な流れ場を明らかにするとともに、内皮細胞はく離実験により血管壁近傍の流れ場が内皮細胞のはく離に与える影響を明らかにし、データマイニングにより血行力学パラメータと内皮細胞はく離の関係を明らかにする。これまで未知であった生体内の血流場が内皮細胞はく離に与える影響を解明することにより、内皮細胞近傍場の流体力学的作用の正確な理解に基づく内皮細胞のはく離の予測を可能とすることを目的とする。 1) MRI 計測融合血流シミュレーションにより大動脈血管壁近傍の詳細な流れ場を明らかにする。MRI 計測による大動脈血管形状と血流速度ベクトルを流体構造連成数値解析にフィードバックすることにより、MRI 計測融合血流シミュレーションを行う。H30 は解析手法を完成した。 2) 内皮細胞はく離実験により血管壁近傍の流れ場が内皮細胞のはく離に与える影響を明らかにする。内皮細胞を培養した流路底面近傍に大動脈壁近傍の3 次元的な血流場を模擬した実験を行って、培養内皮細胞のはく離を調べる。流路内の血流場を数値シミュレーションにより検証しつつ実験を行う。H30は実験装置を作成した。 3) 自己組織化マップによるデータマイニングにより大動脈の血行力学パラメータと内皮細胞はく離の関係を明らかにする。H30はデータマイニング手法について検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1) MRI 計測融合血流シミュレーションにより大動脈血管壁近傍の詳細な流れ場を明らかにする。MRI 計測による大動脈血管形状と血流速度ベクトルを流体構造連成数値解析にフィードバックすることにより、MRI 計測融合血流シミュレーションを行う。H30 は解析手法を完成し、今後の解析が可能となった。 2) 内皮細胞はく離実験により血管壁近傍の流れ場が内皮細胞のはく離に与える影響を明らかにする。内皮細胞を培養した流路底面近傍に大動脈壁近傍の3 次元的な血流場を模擬した実験を行って、培養内皮細胞のはく離を調べる。流路内の血流場を数値シミュレーションにより検証しつつ実験を行う。H30は実験装置を作成し、実験が可能となった。 3) 自己組織化マップによるデータマイニングにより大動脈の血行力学パラメータと内皮細胞はく離の関係を明らかにする。H30はデータマイニング手法について検討し、今後の指針を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
1) MRI 計測融合血流シミュレーションにより大動脈血管壁近傍の詳細な流れ場を明らかにする。MRI 計測による大動脈血管形状と血流速度ベクトルを流体構造連成数値解析にフィードバックすることにより、MRI 計測融合血流シミュレーションを行う。H31 以降に複数の臨床データにより解析を行う。本テーマは研究代表者の早瀬が担当し、MRI 計測臨床データは研究協力者のLalande により提供される。 2) 内皮細胞はく離実験により血管壁近傍の流れ場が内皮細胞のはく離に与える影響を明らかにする。内皮細胞を培養した流路底面近傍に大動脈壁近傍の3 次元的な血流場を模擬した実験を行って、培養内皮細胞のはく離を調べる。流路内の血流場を数値シミュレーションにより検証しつつ実験を行う。H31 以降に実験を行う。本テーマは研究代表者の早瀬が担当し、実験に用いるヤギの血液は研究協力者の山家により提供される。 3) 自己組織化マップによるデータマイニングにより大動脈の血行力学パラメータと内皮細胞はく離の関係を明らかにする。大動脈壁近傍血流場のMRI 計測融合血流シミュレーション結果と内皮細胞はく離実験結果の自己組織化マップによるデータマイニングを行い、内皮細胞はく離に最も影響を与える流体力学パラメータを明らかにする。H31以降ににデータマイニング手法を開発し解析を行う。本テーマは研究分担者の下山が担当し、解析・実験データは研究代表者の早瀬により提供される。
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