2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of one-step synthesis of organic-modified nanopowder by supercritical plasma flow control
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18H01371
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
茂田 正哉 東北大学, 工学研究科, 教授 (30431521)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 学 大阪大学, 接合科学研究所, 教授 (20243272)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 流体工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、超臨界プラズマという特異物質相の流れを利用して、有機修飾複合ナノ粒子の生成量・サイズ・組成を制御しながらクリーンかつワンステップで大量合成するという新手法を流体工学的立場から確立することを目的としている。2019年度は、鉄やクロムの金属蒸気プラズマを含有する広範囲のヘリウムアークプラズマを対象に、高速ビデオカメラと分光システムを用いた画像分光法により発光スペクトルを計測し、金属ラジカルおよびイオンの輸送メカニズムを明らかにした。また、それに起因する電極消耗現象も明らかにした。一方で、数値シミュレーションに基づいた理論的研究も進めた。研究代表者が構築した数理モデルを用いて、アークプラズマ環境下でナノ粒子が核生成・凝縮・凝集により集団成長しながら対流・拡散輸送されるプロセスを再現し、アークプラズマ外縁の流体力学的不安定性に起因する揺らぎが低温の下流域におけるナノ粒子の空間分布と強い相関を示すことも明らかにした。非移行式アークプラズマジェット、非電離気体、ナノ粒子群が共存する乱流場の非定常3次元数値シミュレーションにも成功し、長年未解明であったプラズマジェット遠方の渦誘発現象の原理に迫る知見を得た。また、アークプラズマ環境で異種の金属粉体が混合液滴を形成しながら電極から離脱する現象、および溶融金属が化学反応を経て酸化物を形成し輸送される現象を粒子法シミュレーションの拡張によって再現に成功し、各プロセスの詳細を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
二酸化炭素の超臨界化と維持、その中での瞬間的なプラズマの生成には成功している。高速画像分光システムによるプラズマ種の多成分計測法の開発も進んでいる。また、プラズマ流動およびナノ粒子形成・輸送に関する理論的研究の方もおおむね順調に進んでいると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、電極系の改良を行うことで、超臨界環境下でのプラズマの長時間維持を目指す。またコロナ放電に類似した局所的なプラズマ相の温度を計測するために温度計測法も改良する。並行して現有のシュリーレン計測システムを適用して密度場を計測することで流動場の構造を明らかにする。合成物については、X線回折(XRD)を用いた組成分析により物質の同定と特性評価および電子顕微鏡(SEM, TEM)を用いた粒径・形状観察を行う。同時に理論的・数値的な研究アプローチも継続し、超臨界プラズマ流動場におけるナノ粒子の形成メカニズムを明らかにするために2019年度に構築した数値計算モデルの拡張を行う。超臨界状態のプラズマ相を表現できる数理モデルを構築するために、ボルツマン方程式が支配的なスケールの統計物理を土台としながら、マクロスケールの流体現象への拡張を図り、マルチスケール・マルチフィジックスモデルの構築を行っていく。
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Research Products
(18 results)