2019 Fiscal Year Annual Research Report
データ同化による複雑内部流れ場の非定常三次元流動診断技術の高度化
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18H01373
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
古川 雅人 九州大学, 工学研究院, 教授 (30181449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 英男 九州大学, 工学研究院, 准教授 (70362275)
山田 和豊 岩手大学, 理工学部, 准教授 (00344622)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 内部流れ / CFD / EFD / データ同化 / ターボ機械 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,データ同化手法を用いて実験流体力学(EFD:Experimental Fluid Dynamics)と計算流体力学(CFD:Computational Fluid Dynamics)とが真に融合したEFD/CFD同化解析手法を構築することにより,翼列流れなどの実用問題における複雑な非定常三次元内部流動の高度診断技術を新たに創出することを目的とする. データ同化技術を用いた流動推定手法に必要となる実験データとして,遷音速遠心圧縮機のサージング現象に関する非定常流動データの取得を行った.計測手法として光学的計測手法であるポリマータイプの感温塗料を用い,供試圧縮機上流部における温度分布の非定常計測を実施することによって,逆流を伴うディープサージ発生時の非定常流動に関する実験データを得た. また,逐次型データ同化手法であるアンサンブルカルマンフィルタを用いた流動推定手法の構築を行った.その際に,遷音速タービン翼列周りの流れ場に対して実施したLES解析の解析結果を模擬実験データとし,非定常RANS解析に用いたk-ω二方程式乱流モデルのパラメータ推定(最適化)を行うことによって,最適化されたパラメータを用いた非定常RANS解析結果がLES解析結果と良く一致することを確認した. さらに,非逐次型データ同化手法であるAdjoint法を用いる流動推定手法の定式化ならびに数値スキームの構築を行った.具体的には,超音速流れにおける単独翼の設計問題を対象として,Euler方程式に基づくAdjoint方程式を導出し,それを高速かつ安定に解くための有限体積法に基づく完全陰解法スキームを構築するとともに,翼面上の圧力分布を目的として与えることにより単独翼の形状推定が安定に計算できることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遷音速遠心圧縮機においてディープサージ発生時の非定常流動計測に感温塗料を適用することにより,これまで得ることが極めて困難で国際的にも皆無であった,逆流を伴うディープサージ発生時の非定常流動に関する貴重な実験データを取得した.また,逐次型データ同化手法であるアンサンブルカルマンフィルタを用いた流動推定手法の構築を行った.その際に,遷音速翼列流れの非定常RANS解析におけるk-ω二方程式乱流モデルのパラメータ推定(最適化)を対象とした.さらに,非逐次型データ同化手法であるAdjoint法を用いる流動推定手法の定式化ならびに数値スキームの構築を行った.具体的には,超音速流れにおける単独翼の設計問題を対象として,Euler方程式に基づくAdjoint方程式を導出し,それを高速かつ安定に解くための完全陰解法スキームを構築するとともに,翼面上の圧力分布を目的として与えることにより単独翼の形状推定が可能であることを示した.以上から,おおむね順調な進捗が得られている.
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Strategy for Future Research Activity |
データ同化技術を用いた流動推定手法の構築として,逐次型データ同化手法であるアンサンブルカルマンフィルタを用いるEFD/CFD同化解析手法の構築,および非逐次型データ同化手法であるAdjoint法を流動解析に適用するための定式化およびコードの検証が完了したが,Adjoint法を用いるEFD/CFD同化解析手法については粘性効果まで考慮したプログラミング化および並列化を今後進める. また,本手法の適用対象としている遷音速圧縮機について,EFD解析とCFD解析のいずれも適用が容易でない実用問題としてのサージング現象を取り上げ,本EFD/CFD同化解析手法を適用することにより,その有効性を検証する.アンサンブルカルマンフィルタを用いるEFD/CFD同化解析手法では,高応答圧力センサから得られた非定常圧力データをCFD計算に同化することにより,サージング現象の一次元非定常挙動を再現する.一方,Adjoint法を用いるEFD/CFD同化解析手法では,高応答圧力センサおよび感圧塗料(PSP)を用いて得られた非定常圧力データ,ならびに感温塗料(TSP)を用いて得られた非定常温度データをCFD計算に同化することによって,サージ発生時の質量流量の時間変化を同定するとともに,圧力波の三次元的な伝播過程を明らかにする. 以上により,EFD解析とCFD解析の単独適用では把握することが極めて困難であった,遷音速圧縮機におけるサージング発生時の非定常流れ挙動を解明する.
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Research Products
(2 results)