2018 Fiscal Year Annual Research Report
Unravelling nonlinear phenomena in thermoacoustic self-excited oscillations−aiming at promotion and suppression of the oscillations−
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18H01375
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
杉本 信正 関西大学, システム理工学部, 教授 (20116049)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 大 福井工業大学, 工学部, 教授 (40448048)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 熱音響 / 熱流の不安定化 / 臨界条件 / ループ管路 / 直管 / 自励振動 / 衝撃波 / 振動発電 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、熱音響自励振動における非線形現象を理論と実験の両面から解明することによって振動の促進または抑制を図り、特に自励振動を利用したエネルギーハーベスティングの可能性を見極めることである。まず現有の実験装置を対象に熱流が不安定化する臨界条件を理論的に導出し、実験で結果を検証した。また。これまで確立してきた近似理論の妥当性を検討し、近似理論でも十分よい結果を与えることを確認した。この成果は英国応用数理学会誌(IMA J. Appl. Math.)に公表した。 次いで、これまで確立してきた非線形理論を用いたシミュレーションを試みた。振幅が小さく線形理論が適用できる範囲内では問題はなくシミュレーションは実行できた。スタック内の非線形性を考慮することにより、自励振動の発生のシミュレーションを行うこともできた。この結果は第21回International Symposium on Nonlinear Acoustics (Santa Fe, New Mexico, USA)にて発表を行った。しかし、振幅が大きくなるとスタック近傍での計算が不安定になり、結果が発散することが判明した。この原因は、スタック端での接続条件において熱流の取り扱いが不備であることによるものと予想される。またループ管路で衝撃波が発生する場合としない場合が実験的に発見されている。この違いのメカニズムを理論面からの検討を行い、上記シンポジウムで報告した。 直管およびループ管路内の熱音響自励振動を利用した振動発電を試みた。適切なリニア発電機が入手できなかったため、リニアモータを逆に駆動し発電を行った。管路内の圧力は大気圧に設定した。ループ管路では負荷を与えずに発電を行うと20ボルト以上の電圧が発生が確認された。しかし負荷を与えるとループ管路で最大でも1W程度の発電しかできないことが分かり問題点と今後の目途が分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理論面では熱流の不安定化を我々が提唱している近似理論でも取り扱うことができることを明らかにできた。当面の目標はクリアできたと考えている。次の目標である振幅が大きくなった場合への適用は原因が予想されるので、研究の方向は定まっている。 一方、実験では直管およびループ管路において熱音響自励振動の発生は確立しており、精度良い再現性も確認している。理論、実験両面から進捗度合いは当初の想定の範囲にあるから。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通りの遂行を予定している。理論面では発散の原因となる考慮できていない現象をいかに取り入れるかを検討し、振幅の大きさのいかんに拘わらず適用できるシミュレーションの確立を行う。実験面ではエネルギーを取り出す効率のよい方法を検討する。
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Research Products
(8 results)