2019 Fiscal Year Annual Research Report
透明材料の超短パルスレーザ加工閾値に関する熱的・電子的統一モデリングの構築
Project/Area Number |
18H01379
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
伏信 一慶 東京工業大学, 工学院, 准教授 (50280996)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 熱工学 / パルスレーザ / 透明材料 / 加工閾値 |
Outline of Annual Research Achievements |
交付申請書の記載および本年度の研究実施計画に従い、いずれも目標を達成した。 昨年度導入したpsからfs領域のパルス幅で発振可能な超短パルスレーザ(約300 fs-10 ps、1030 nm、0.1 mJ、5 kHz以下)を用いて、加工閾値のパルス幅依存性を実験的に検証した。得られた結果から、パルス幅の増大とともに加工閾値が上がる傾向は認められた。とりわけ、300 fs付近ではそれ以上のパルス幅に対して明確に低い値を示すことが認められた。一方で、パルス幅依存性について既報を十分に説明できる結果とはなっておらず、閾値の決定手法にも依存することも認められた。並行して数値モデルの構築推進を行なった。すでに構築済みの電子のレート方程式にBPM法をドッキングした数値計算スキームに新たに伝熱モデルを連携させたモデルの構築を終えている。この間、積極的に国内外の研究者との連携や情報収集に勤めるべく学会参加、並びに大学往訪を行い、特に後者においてはベトナム国家大学の研究者との連携をきっかけとして、来年度、レーザ加工に関する熱的・電子的な物理現象とそのモデリング・数値計算に関するワークショップを開催し、本研究の成果の普及に努めるとともに、新たな知見を得る機会となることを期待している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書の記載および本年度の研究実施計画に従い、いずれも目標を達成している。 昨年度導入したpsからfs領域のパルス幅で発振可能な超短パルスレーザ(約300 fs-10 ps、1030 nm、0.1 mJ、5 kHz以下)を用いて、加工閾値のパルス幅依存性を実験的に検証した。得られた結果から、パルス幅の増大とともに加工閾値が上がる傾向は認められた。とりわけ、300 fs付近ではそれ以上のパルス幅に対して明確に低い値を示すことが認められた。一方で、パルス幅依存性について既報を十分に説明できる結果とはなっておらず、閾値の決定手法にも依存することも認められた。並行して数値モデルの構築推進を行なった。すでに構築済みの電子のレート方程式にBPM法をドッキングした数値計算スキームに新たに伝熱モデルを連携させたモデルの構築を終えている。またこれらを通じて得られた結果は複数の国際会議等で発表しており、来年度、レーザ加工に関する熱的・電子的な物理現象とそのモデリング・数値計算に関するワークショップを開催し、本研究の成果の普及に努めるとともに、新たな知見を得る機会への期待に繋がっている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き超短パルスレーザを用いた加工閾値のパルス幅依存性の検討を継続するとともに、数値計算モデルの構築を推進し、当該パラメータ範囲における熱的・電子的なモデリングの統一を目指す。特に今年度は流動に関するモデリングとのドッキングを試みることで、より広いパルス幅・フルエンスの範囲で適用可能なモデル化を試みる。また最終年度ということもあり、学会参加や大学往訪による専門家からの情報収集・討議に加え、今年度の活動で開催につながったワークショップの機会を活用し、より緊密な情報収集・討議を行うとともに、本研究の成果発信にも努める。
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