2018 Fiscal Year Annual Research Report
Viscosity measurement of high temperature liquid by resonance surface oscillation for revising temperature dependence model of glass forming liquid viscosity
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18H01386
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
渡邉 匡人 学習院大学, 理学部, 教授 (40337902)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坪田 雅功 学習院大学, 理学部, 助教 (50626124)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 高温融体 / 粘性率 / 無容器浮遊法 / 液滴振動 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究で,ガスジェット浮遊の浮遊ガスジェットに音波を印加し,液滴の表面振動周波数近くで浮遊液滴を強制振動させ表面振動を励起し,印加周波数を変化させて液滴振動の振幅の大きさを高速度カメラで測定し,印加周波数に対する液滴振動の振幅変化が共鳴型スペクトルとなることを確認した.また,共振周波数で励起した表面振動をフーリエ変換して得たパワースペクトルの半値幅が,印加周波数変化により得たスペクトルの半値幅と一致しており,想定した共鳴液滴振動法の半値幅から減衰時間定数を得ることで粘性率が得られることが実証できた.地上でのガスジェット浮遊法で測定した酸化物融体の液滴振動データを,国際宇宙ステーションでの静電浮遊法での結果と比較し同様の結果であることを確認した.国際宇宙ステーションでは微小重力環境であり,液滴には外力が作用していない状態で液滴振動実験ができる.両者のデータが一致していることは,地上においても液滴振動法による粘性測定にガスジェット浮遊法が適応できることを実証したことになる.さらに,2018年度において,低粘度の金属融体をガスジェット浮遊法で液滴振動実験をおこなったところ,減衰時間が表面振動の振幅の大きさに依存することを新たに明らかにした.これは,表面振動で誘起される液滴内部流により見かけの粘性が変化してしまうためと考えられる.この現象が高粘土融体でも観測されるかを確認することと,液滴振動振幅の大きさによる減衰振動の変化を明らかにし,粘性率測定に最適な条件を決定する新たな課題が見出された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年度の研究において,ガスジェット浮遊の浮遊ガスジェットに音波を印加し,液滴の表面振動周波数近くで浮遊液滴を強制振動させ表面振動を励起し,印加周波数を変化させて液滴振動の振幅の大きさを高速度カメラで測定し,印加周波数に対する液滴振動の振幅変化が共鳴型スペクトルとなることを確認した.また,共振周波数で励起した表面振動をフーリエ変換して得たパワースペクトルの半値幅が,印加周波数変化により得たスペクトルの半値幅と一致しており,研究計画で想定した共鳴液滴振動法の半値幅から減衰時間定数を得ることで粘性率が得られることを実証できた.
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度では共鳴液滴振動法による粘性測定手法を確立する. 前年度において,共鳴液滴振動法の半値幅から減衰時間定数を得ることで粘性率が得られることが実証できた.一方,2018年度の研究成果で,減衰時間が表面振動の振幅に依存することを新たに明らかとした.これは,表面振動で誘起される液滴内部流により見かけの粘性が変化してしまうためである.このため,表面振動振幅と減衰時間の関係性を明らかにし見かけの粘性が変化しない表面振動励起条件を液滴振動の数値シミュレーションと併用しながら探っていき,最適な粘性測定条件を明らかにする.2019年度において高出力の加熱用CO2レーザーを準備し2500K 以上の高温領域まで試料温度を上昇できるようにするとともに,粘性が低下した際の光学系を整備し従来計測できなかった1mPa・ s 以下の低粘性率領域の測定もできるようにする.以上を実施し,CaO-Al2O3系酸化物を中心に組成を変えて粘性率を幅広い温度範囲で測定する.また,比較のために純金属や高エントロピー合金の粘性率の測定も実施する.
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