2019 Fiscal Year Annual Research Report
反射眼球運動の数理モデリングと操作主体感の推定手法への応用
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18H01414
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
和田 隆広 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (30322564)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝尾 隆文 関西大学, システム理工学部, 助教 (10454597)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 前庭動眼反射 / 操作主体感 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は前庭感覚に起因する動揺病を推定する計算モデルを基に,前庭動眼反射(以下VOR)眼球運動の計算モデルを開発してきた.このモデル入力である頭部運動と,モデル出力である眼球運動が既知である場合に,モデルパラメータの一つである,身体運動の推定精度を表すブロックを推定する手法を開発した.当該モデルは,能動的に運動を行う場合,運動指令のコピーである遠心性コピーを模擬する機能を有しており,運動に対する運動受動の差異を表現できると考え,その実現に向けて取り組んでいる.2019年度は以下の成果を得た. ジョイスティック操作によりヨー方向に回転する椅子を開発した.さらにその実験装置を用いて,操作主体感を変化させる実験を行った.実験で計測した頭部運動と眼球運動をVORモデルに導入しモデルパラメータ同定をした結果,操作主体感が失われる場合には,自己運動感覚に相当するパラメータが減少することを明らかにした. また,既設の上下一軸加振機を使用して2種類の実験を実施した.すなわち,ハンドル操作による左右へのトラッキング実験を行ない,その画面表示による自車両の左右位置に連動して加振する場合と,位置とは無関係に定常的に加振する条件において実験を実施した。実験参加者の操作量に一次遅れ処理および外乱を施すことにより,操作主体感を変化させた.実験の結果,操作主体感を変化したが,計測した前庭動眼反射には顕著な変化は確認されなかった. 以上は,能動的に行うタスクによる身体運動と,VORの原因となる身体運動が合致する場合にのみ,SoAがVORに影響することを示唆している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書において,2019年度は,以下の二項目について研究する事を計画していた. 1)OKR-VOR統合モデルの評価 2)操作主体感の推定手法の導出 これらで定めた到達目標をほぼ達成していることから,概ね順調と判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り,運転タスクなどにおいて,提案するSoA推定手法の効果検証を行う.
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