2021 Fiscal Year Annual Research Report
パワーエレクトロニクス機器が発生するEMIのアクティブフィルタリング技術の研究
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18H01416
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小笠原 悟司 北海道大学, 情報科学研究院, 特任教授 (40160733)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
折川 幸司 北海道大学, 情報科学研究院, 助教 (50781324)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | EMI / アクティブフィルタリング技術 / パッシブコモンノイズキャンセラ(PCC) / ハイブリッドフィルタ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,インバータ等のパワーエレクトロニクス機器が発生する電磁妨害(electromagnetic interference: EMI)を抑制するために,アクティブ(能動) 素子とフィードバック技術を導入してノイズの減衰特性を飛躍的に向上可能なアクティブフィルタリング技術を開発・研究することを目的とする。インダクタやキャパシタなどのパッシブ(受動) 素子を用いて構成された従来のノイズ抑制フィルタは,原理的に完全にノイズ抑制できないばかりか,寄生の共振現象のために抑制効果が悪化する周波数も存在するという問題があった。 本課題で開発するアクティブフィルタリング技術は,SiCゃGaN 等の次世代パワー半導体デバイスが導入された際に懸念されている高周波帯ならびに,現在IECで規制強化の議論が行われている低周波帯の両方において,パッシブフィルタに比べて大幅に低減することを目指す。 低周波領域においては,先に提案しているインバータ自身をアクティブ回路として用い受動素子のみで同様な効果が期待できるパッシブコモンノイズキャンセラ(PCC)について,使用する鉄心における損失の周波数特性を考慮して動作磁束密度レベルを決定するとともに,体積や重量を最小化するPCCの最適設計法について検討した。 高周波領域においては,従来のEMIフィルタに低電圧・小電流のアクティブ回路を挿入するだけで,EMI低減効果を改善することが可能なハイブリッドフィルタを提案し,その効果を実験的に示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
パワーエレクトロニクス機器が発生するEMIのアクティブフィルタリング技術に関して,低周波領域については,先に提案しているアクティブコモンノイズキャンセラ(ACC)の補償電圧誤差をフィードバック制御により抑制してEMI抑制効果を改善する新しいACC,インバータ自身をアクティブ回路として用い受動素子のみでACCと同様な効果が期待できるパッシブコモンノイズキャンセラ(PCC)の提案とその最適設計法などの研究成果を得ている。 高周波領域については,EMIシミュレーションにおいてトランスやインダの高周波特性を模擬することが可能な回路シミュレーションモデルの提案,ディスクリートのインダクタやキャパシタを組合せた従来のEMIフィルタがに低電圧・小電流のアクティブ回路を追加するだけで,EMI抑制効果を大幅に改善可能なハイブリッドフィルタを提案し実験検証などの研究成果を得ている。 以上のようなことから,本研究はおおむね順調に進展していると自己評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
低周波領域では,先に提案しているインバータ自身をアクティブ回路として用い受動素子のみで同様な効果が期待できるパッシブコモンノイズキャンセラ(PCC)に使用する磁気材料の特性を考慮するとともに,PCCのの適用方法のを検討することで,さらなる特性改善と小型軽量化について検討する予定である。 高周波領域では,従来のEMIフィルタに低電圧・小電流のアクティブ回路を組み合わせたハイブリッドフィルタについて,EMI抑制効果は従来のEMIフィルタと同程度以上で,体積と重量をどの程度まで低減可能であるかについて検討する予定である。
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Research Products
(6 results)