2018 Fiscal Year Annual Research Report
不完全性を持つ非線形多重スケールデータのためのオンライン解析法の開発と実応用
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18H01446
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
湯川 正裕 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (60462743)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 功 東京工業大学, 工学院, 教授 (50230446)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | カーネル法 / 多重スケール性 / 不完全性 / オンラインデータ解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
多重スケールデータのオンライン解析に向けた基礎検討として、以下を実施した。
1.カーネルPCAによる次元削減が非線形回帰問題に与える影響を明らかにする関連次元解析に取り組んだ。特異値分解に基づくシンプルな方法でアプローチすることにより、従来研究で生じていた打ち切り誤差の影響を完全に消去することに成功した。また、従来研究で扱えていなかった中心化の影響も同じ枠組みで扱えることを明らかにした。本成果は、信号処理のトップカンファレンスIEEE ICASSP2018(カルガリー、カナダ)で発表した。 2.多カーネル適応フィルタをデータ分類問題に適した形に変形し、自然言語処理における感情分析に応用した。コンペ型ワークショップSemEval2013で用いられたTwitterデータで数値検証を行い、提案法の優位性を示した。本成果は、国内の信号処理研究者が一堂に集う信号処理シンポジウム2018で発表した。さらに、複数のオンライン手法に対する優位性の検証も完了している(国際会議に投稿中)。 3. L1正則化項を含む確率的最適化のための「凸射影と双対平均法に基づくアルゴリズム」を導出した。2乗距離関数(滑らか)を損失関数とした点、学習率と正則化パラメータを定数にした点、計量と正則化項に対してスパース化を促進する工夫を施した点が従来研究(RDA)と大きく異なる。複数の実データ(手書き文字MNIST, ニュース文書RCV, 音響データ)を用いた分類問題・回帰問題において、高いスパース性と推定精度を同時に実現すること、正則化パラメータへの性能依存性が低いことを実証した。さらに、多カーネル適応フィルタへ応用し、少ない辞書サイズで高精度な推定が実現されることを示した。本成果は、信号処理のトップジャーナルIEEE Transactions on Signal Processing への採録が決定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
関連次元解析を当初の予定どおり、完了できた。H31年度に実施予定である多カーネル適応フィルタの分類問題への拡張について、初期検討まで実施することができた。確率的最適化に対する効果的なアルゴリズムを構築できたことは、今後の研究を実施していく上でとても重要である。
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Strategy for Future Research Activity |
主成分分析への拡張については、大学院生と議論し、検討を進めている。
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