2020 Fiscal Year Annual Research Report
不完全性を持つ非線形多重スケールデータのためのオンライン解析法の開発と実応用
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18H01446
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
湯川 正裕 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (60462743)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 功 東京工業大学, 工学院, 教授 (50230446)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | グループスパース / 弱凸関数 / 頑健推定 / Moreau分解 / カーネル適応フィルタ / 再生核 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. Minimax Concave 損失関数(MC損失関数)に基づく外れ値に頑健なグループスパース信号復元アルゴリズムを提案し、有効性を実証した。MC損失関数は、弱凸関数と線形作用素の合成関数となっており、Minimax Concave正則化を取り扱う従来の数学的枠組みをそのまま用いることができなかった。本研究では、Moreau分解を用いて、主双対分離法で解くことのできる形に再定式化するとともに、収束条件を満たすアルゴリズムパラメータの必要十分条件を明らかにした。特徴抽出問題への応用に関する数値例を行い、既存のロバスト特徴抽出法と比べ、外れ値に対する頑健性が飛躍的に向上することを実証した。本成果は、信号処理分野のトップジャーナルIEEE Transactions on Signal Processing に掲載された。
2. 多カーネル適応フィルタは、複数の再生核を用いることで非線形関数をオンラインで効率的に推定できる。本研究では、再生核のパラメータをフィルタ係数と同時にデータから学習する手法を提案した。提案法の中で、効率的に辞書を構築していくための「マルチスクリーニング法」を新たに考案した。同手法は、スケールの大きな関数から順に辞書に加えていくことで、辞書要素が不必要に増加していくことを抑制できる。その結果、小さい辞書サイズで高精度な推定が実現される。数値例により、LSTMやカーネル適応フィルタの最新の手法に対する優位性を実証した。本成果は、速報性の高いIEEE Accessに掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(i)外れ値に頑健なグループスパース信号復元アルゴリズムの構築と(ii)再生核パラメータとフィルタ係数の同時更新アルゴリズムの構築が予定どおり完了した。次の段階として、外れ値に加えてガウス性雑音の効果を明示的に考慮した手法の検討まで進んでおり、研究は順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
適宜、共同研究者と議論を行いながら進めていく、
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