2019 Fiscal Year Annual Research Report
Study on ultrafast and broadband impulse response measurement method and its applications
Project/Area Number |
18H01451
|
Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
伊藤 文彦 島根大学, 学術研究院理工学系, 教授 (40593596)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 哲 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 電気情報学群, 教授 (20217029)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | インパルス応答 / 光サンプリング / 光ファイバ / 超高速信号 / 光ファイバセンシング |
Outline of Annual Research Achievements |
前期までに、本研究の中で独自に考案した位相雑音補償線形光サンプリング法により、約1THzでの帯域と数十dB以上のダイナミックレンジを有し、様々な光デバイスの長さに柔軟に対応できる超広帯域光インパルス応答測定法を実現した。これを用いて、マルチモード伝送路の各入出力モード毎の組み合わせのインパルス応答を一括して測定する手法を開発し、そのスペクトル伝達行列を求め、マルチモード光ファバのモード依存損失の測定に適用できることを示した。今期は、本技術を用いて2LPモードファイバにおけるモード間群遅延時間差解析を行い、ステップインデックス型光ファイバとグレーディッドインデクス型光ファイバとで、高次モードの群遅延時間広がりが大きく違うことを見出した。これは、多モードファイバを空間多重伝送路に適用する際に非常に有用な知見である。この他に、偏波保持ファイバを複数接続して偏波モード分散が既知である偏波多重伝送路を構築し、群遅延時間特性の測定を試みた。偏波モード間の群遅延時間差とともに、伝送路の主偏波状態についても理論的な予測と一致する測定結果を得ることができ、本測定手法の有効性を確認できた。現在、測定帯域のさらなる拡張に向けて、高非線形ファイバによるプローブ光のスペクトルの拡張に取り組んでいる。 サブシステムから長尺伝送路まで距離によらずモード依存損失の測定が可能な方法は他になく、そのインパクトは大きいと考えられる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目的とする超広帯域でのインパルス応答またはスペクトル伝達行列の測定を実現し、それによる空間多重伝送路の評価手法に関して、有用な知見を得られたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在、1THz程度の帯域で伝送路のスペクトル伝達行列もしくはインパルス応答の測定に成功している。今後、これをCバンド(3~4THz)さらにはC/Lバンド(~10THz)に拡張するための検討を行う。さらに、近年、空間多重伝送路向けの光ファイバとして注目を集める結合型マルチコアファイバの分析に適用することで、さらなる適用範囲の拡張を狙う。
|