2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Novel High-Performance Semiconductor Bonding Mediated by Monolayer Materials for the Realization of Ultrahigh-Efficiency Solar Cells
Project/Area Number |
18H01475
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田辺 克明 京都大学, 工学研究科, 准教授 (60548650)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 半導体接合 / ウェハ貼り合わせ / 機能性材料 / 光電子デバイス / 量子ドット / 波長変換材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
グラフェン量子ドットGQDを波長変換材料として半導体接合界面に導入し, 半導体接合の形成と同時に,接合界面に光学的特性を付与することを試みた.例えば,多接合太陽電池の場合, 接合界面でアップコンバージョンを行うことで, 発電に寄与しない長波長の光も発電に利用することが可能になり, 効率向上に繋がることが期待される.GQDの導入方法として, (1)GQD分散液をウェハ上に直接塗布して導入・接合する方法、(2)ポリアクリルアミド(PAM)ハイドロジェルを用いて導入・接合する方法の二種類について検討を行った. (1)では接合時の加熱温度について, (2)ではハイドロジェルの濃度について条件を変更した.また, いずれの場合においても, スピンコートの有無, 及びフッ酸による表面処理の有無について前処理の条件を変更し,これらの要因が接合形成後のサンプルの機械的強度・導電性へと与える影響を評価した.前者の場合には, 光学的な特性は失われてしまったが,十分な強度と伝導性を有した接合条件が確認された.また,後者の場合には光学的特性を失うことなく半導体接合界面にGQDを導入し, また十分な伝導性を確保した接合を実現した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染防止対応のため当初の予定通りに研究活動を進めることができなかったため。
|
Strategy for Future Research Activity |
単原子層材料を介した半導体接合技術の開発の発展とともに、透明導電性材料、波長変換材料といった他の機能性材料を介した半導体接合技術の開発を行う。 1. 新規接合材料を用いた多接合太陽電池の作製 多接合太陽電池の発電層として用いられるⅢ-Ⅴ族化合物半導体は,表面に数nmオーダーの粗さを持つ.そのためⅢ-Ⅴ族化合物半導体をウェハ直接接合法によって積層する際は,事前にその表面を研磨する必要があり,作業効率が低い.そこで柔軟性を有する接合材料を用いることで,Ⅲ-Ⅴ族化合物半導体の表面を研磨せずとも,多接合太陽電池が作製可能であることを実証したい. 2. アップコンバージョン材料を介した接合 本研究ではこれまでに短波長の光を長波長側に変換するダウンコンバージョンの波長変換材料を用いた.しかし,多接合太陽電池への応用の観点からは,長波長の光を短波長側に変換するアップコンバージョンの光学的機能発現がより望まれる.近年,太陽光程度の比較的強度が弱い光でもアップコンバージョンを起こすことができる波長変換材料が研究室レベルで開発されており,それらを用いた接合を行うことで,ダウンコンバージョン,アップコンバージョンいずれの波長変換材料でも適応可能な半導体接合技術を確立したい.
|