2020 Fiscal Year Annual Research Report
光子―励起子間相互作用の増強による有機半導体微小共振器の発光機能制御
Project/Area Number |
18H01476
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
山下 兼一 京都工芸繊維大学, 電気電子工学系, 教授 (00346115)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山雄 健史 京都工芸繊維大学, 材料化学系, 教授 (10397606)
高橋 駿 京都工芸繊維大学, 電気電子工学系, 助教 (60731768)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ポラリトン / 有機結晶 / マイクロキャビティ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、高い分子配向性の有機半導体結晶と強い光閉じ込めの微小共振器構造を組み合せた光子-励起子間相互作用の増強効果により、その発光機能を高性能化することを目的とする。 今年度の成果として、まず、強い遷移双極子モーメントを示す有機半導体の一つであるBP1T-CNを活性層とした微小共振器において、詳細な時間分解フォトルミネッセンス測定により、閾値以下での励起密度における緩和ダイナミクスを明らかにすることができた。光パルス励起により注入された励起子が、励起子性のリザーバー準位からハイブリッド性のポラリトン状態への遷移には、光子状態を介した過程と励起子状態を介した過程が共存することが分かった。弱励起下でのポラリトン状態のダイナミクスは、コヒーレント凝縮相形成のための閾値低減に重要であるが、終状態であるポラリトン準位の励起子性が強い場合に励起子を介した遷移レートが増大することから、ポラリトン状態の「離調度」を調整し、光子性と励起子性を等価にすることが低閾値化に有効になると考えられる。以上の成果は学術論文として投稿済みである。 また、もう一つの活性層材料として鉛ハライドペロブスカイトを前年度に引き続き検討している。高品質微小共振器素子作製のための技術改善を進める一方で、室温での凝縮相観測を達成している。今年度の顕著な成果としては、新しい光学実験系の構築により、凝縮相の空間コヒーレンス形成が実証できた。前年度までの成果と合わせて、この材料系での室温での凝縮相生成の物理メカニズムを明らかにし、近日中に学術誌への論文投稿予定である。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(11 results)