2019 Fiscal Year Annual Research Report
光通信伝送容量飛躍的増加のための平面光波回路型光空間状態制御デバイスに関する研究
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18H01486
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
藤澤 剛 北海道大学, 情報科学研究院, 准教授 (70557660)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 光ファイバ通信 / モード分割多重 / 平面光波回路 |
Outline of Annual Research Achievements |
H30年度の検討から、スクランブル型モード合分波器については、3次元集積型ではなく、石英系平面光波回路型の構成を詳細に検討した。前年度に見出した知見をもとに、3モードから6モードへとモード数を拡張したスクランブル型モード合波器の極限性能を追求し、4モード+2モード構成とすることで、低モード依存損失で合波可能な構造を見出した。また、その素子中に用いられる、LP01-LP11aモード変換器について、グレーティング型モード変換器の使用を想定していたが、より波長依存性の小さいマルチモード干渉型モード変換器を考案した。 シリコン導波路を用いたモード合分波素子については、本研究において開発した「不連続部を有する光波回路に適用可能な波面整合法」を用いて、従来素子に比べ、大幅に帯域を拡大した素子の設計に成功した。本素子は現在試作中である。 グレーティング型モード交換器について、前年度の設計結果をもとに、素子の試作を行った。2種類の側面グレーティング型モード変換素子を試作し、所望のモード変換が可能であることを実証した。また、波面整合法という独自の光波回路最適設計技術を用いて、側面のグレーティングライクな導波路を用いた6モードのスクランブリング素子も試作し、その性能を実証した。 シリコン導波路を用いたモード交換機について、前年度の知見をもとに、TE0-TE1モード変換器を試作し、世界で初めての波面整合設計モード変換器の実証を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
スクランブル型モード合分波器、グレーティング型モード交換器、シリコン導波路を用いた素子開発の3項目全て、研究実施計画に記した内容を達成し、実施計画では構造検討だけであった、波面整合法設計6モード交換機の実現を達成したため、当初の計画以上に進展している、と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
スクランブル型モード合分波器について、当該年度に見出した、6モード合分波器の構成、すなわち4モード+2モード合分波器の構成について、その極限性能を理論的に追及しつつ、10モードへの拡張性について検討を行う。 試作したシリコン導波路型、モード合分波器、モード変換器について、R1年度に試作した、4モード合分波器の特性評価を行い、次の試作へのフィードバックを行う。 グレーティング型モード交換器について、素子の試作を行い、その原理を実証する。 不連続部を有する光波回路に適用可能な波面整合法の開発について、設計理論を洗練させ、まったく新しいモード制御デバイスを考案、実証する予定である。 導波路側面に凹凸をつけたグレーティング構造を用いた石英系平面光波回路を用いたモード交換器について、R1年度に試作した、縦列接続型モード交換器、波面整合設計6モード交換器の性能評価を行う。
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