2020 Fiscal Year Annual Research Report
チップ内で電力を自給自足するマイクロエレクトロニクス
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18H01490
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
年吉 洋 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (50282603)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | MEMS / エナジーハーベスタ / 振動発電 / エレクトレット / 半導体 / マイクロマシン / マイクロマシニング / シリコン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は「チップ内で電力を自給自足するマイクロエレクトロニクス」と題し、MEMS技術を用いて設計・製作した振動発電型のエナジーハーベスタと電子回路との融合により、チップ内に外部から流入する環境振動(100Hz、0.1G程度)から10~100μWの電力を生成することで、回路動作に必要な電力を自給自足する新技術の実現に取り組んだ。 まず、半導体シリコンマイクロマシニング技術を用いて貼り合わせシリコン基板の両面を加工し、微小な振動子を形成するとともに、その表面に不純物ドープしながら熱酸化膜を形成した。この膜を高温(>500℃)、高電界(500V/10μm)下で帯電することで、内部に固定電荷を取り込んだ永久電荷(エレクトレット)膜を形成した。この振動子が外部振動によって強制励振されると、振動子に付随した可動電極(可変キャパシタ)上に静電誘導電荷が現れる。この電荷を外部回路に取り出すことで、機械的な運動エネルギーから電気エネルギーに変換できる。 比較的低周波数領域に存在する環境振動から効率良く電力を回収する手法として、本研究では共振型の振動子をVDRGモデルで解析し、振動子内部の機械的損失(粘性など)と機械-電気変換出力に由来する損失が電力取り出し効率に与える影響を定量的に評価する手法を確立した。また、電気回路シミュレータを用いてエレクトレットMEMS素子の電気機械的挙動を等価回路解析する手法を提案した。 さらに、電力自給自足型エレクトロニクスの原理検証実験として、MEMS振動発電素子で得られた電力によってチップマイコン、FRAM、タイマーICを間欠的に動作する実験を行った。また、MEMS振動発電素子を用いて環境の温度・湿度を継続的にモニタする無線センサが構築可能であることを実験により示した。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(19 results)