2021 Fiscal Year Annual Research Report
Study on Quantum Mechanical Limit of Operating Speed in Single-Flux-Quantum Circuits
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18H01498
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田中 雅光 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (10377864)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 単一磁束量子回路 / 超伝導デバイス / 量子ゆらぎ / ビット誤り率 / 窒化ニオブ接合 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、高速性と低エネルギー性を両立する超伝導単一磁束量子回路(SFQ回路)により、量子力学的不確定性(ΔE Δt ~ h)に迫る領域、即ち低エネルギー動作と高速動作が両立できる条件での論理回路を追究することを目的としている。 2021年度は、これまでの研究で得られた知見に基づいて、単一磁束量子回路の更なる高周波設計の追求を進めた。まず、精密なタイミング設計を徹底的に追求することで、現在の1ミクロンプロセスで試作した算術演算器を従来の2倍程度高速な、101GHzで動作させられることを実証した。また、加工寸法を0.6ミクロン程度まで縮小したプロセスにおいてシフトレジスタの設計評価を行い、170GHzの動作を得た。これにより、微細加工による更なる高速化の可能性を実験的に確認することができた。いずれも消費電力あたりの処理能力が向上しており、より高いエネルギー効率の達成につながる成果である。 いっそうの速度向上に向けては、単一磁束量子回路に用いられるシャント抵抗(スイッチ動作を安定化させるためにジョセフソン接合に並列に接続する外部抵抗)を部分的に取り除くことによる高速化の可能性を昨年度数値計算により見出した。今年度は加算器を設計し、その効果を実験的に評価した。速度向上を示唆する結果も得られた一方で、特に高周波領域でシミュレーションとの差異があり、デバイスモデルや等価回路の見直しを行い、より複雑な回路の振る舞いが起きている可能性を考察した。 また、上記の実験的評価は、大規模集積回路技術が十分に確立している、ニオブ集積回路技術を用いたが、窒化ニオブを用いることでより高速動作が期待できる。今年度は他機関の協力を得て、窒化ニオブ接合を用いた回路の設計、チップ試作を実施し、回路動作の評価を行った。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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