2020 Fiscal Year Annual Research Report
硫酸劣化を受けるコンクリートの実用的な劣化進行予測手法の構築
Project/Area Number |
18H01511
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
河合 研至 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 教授 (90224716)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | コンクリート / 硫酸劣化 / 劣化進行予測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,硫酸劣化における流れの作用等の影響を実験的に再現し,劣化生成物を剥がすメカニズムを考察して,そのメカニズムに従い,劣化生成物の剥がれの現象をモデル化することにより,実構造物を想定した実用的な硫酸劣化の進行予測手法を構築することを目的とするものである. その中で,セメント硬化体中のC-S-HのC/S比が,硫酸浸漬した供試体の長さ変化に及ぼす影響を把握するための実験的検討を行った.結合材として普通ポルトランドセメント,高炉スラグ微粉末を使用してペースト供試体を作製した.供試体の水結合材比は0.55,高炉スラグ微粉末の置換率は0%,20%,40%とした.供試体寸法は30mm×30mm×10mmである.供試体を打設後,材齢1日までは20℃で型枠中に残置し上面を覆って密封し,脱型後材齢28日まで20℃,40℃,60℃の各温度下で封緘養生した.この供試体を20℃の環境下で濃度5%の硫酸溶液200mLに浸漬し長さ変化を経時的に測定した.その結果,養生温度の相違,高炉スラグ微粉末置換率の相違により,硬化体中のC-S-HのC/S比がそれぞれ異なるものとなり,硫酸溶液浸漬6週間の長さ変化では,C/S比が1.5を上回る供試体で剥落あるいは崩壊が認められ,C/S比が1.5より低い供試体では膨張にとどまり,C/S比が高いほど硫酸との反応性が高いことが明らかとなったが,供試体中の水酸化カルシウムとC-S-Hの共存下における硫酸と両者の反応の関連性についてまでは,詳細な検討に至らなかった. 解析的検討では,セメント硬化体と硫酸との反応によって生成される二水石膏の,空間充填と体積膨張への寄与率ならびに充填が生じる細孔径の考慮について主に検討を行い,従来の解析と比較して,硬化体が膨張,剥離を繰り返す現象をより明確に表現できたものの,硬化体と骨材との遷移帯に対するモデル化の必要性がさらに示唆された.
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)