2019 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of micro-cracking of concrete and its applications
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18H01512
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
半井 健一郎 広島大学, 工学研究科, 教授 (10359656)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 由布子 広島大学, 工学研究科, 助教 (30624564)
千々和 伸浩 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 准教授 (80546242)
佐川 孝広 前橋工科大学, 工学部, 准教授 (90621045)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | コンクリート / 骨材 / 石灰石 / ひび割れ / 膨張材 / 線膨張係数 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,石灰石骨材や膨張材,高炉セメントなどの使用材料,温度変化や持続応力の作用などの外部要因によってコンクリート内部に発生する「微細ひび割れ」に着目し,材料由来の微細ひび割れの発生機構を分析したうえで,せん断耐力をはじめとする構造物の性能への影響を実験によって明らかにすることを目的とした. 2019年度は,まず材料に関する検討として,膨張材と石灰石微粉末を混和した高炉セメントの体積変化と水和反応を,高温履歴を与えた8種類のモルタルにおける埋め込みゲージでの体積変化測定やモルタルと同一結合材配合のセメントペーストのリートベルト解析により分析した.その結果,高炉セメントの高温履歴養生下での自己収縮量は、普通セメントと比較して大きかったことや膨張材と石灰石微粉末の混和でカーボネート系水和物が生成することで AFt からAFm への転化が抑制されることなどを明らかにした. 次に,鉄筋周囲に形成されるひび割れによる付着低下とそれによる構造性能への影響に着目して,線膨張係数が17のステンレス鉄筋と,早強モルタルによってRCはりを作製し,その打設温度と載荷時温度を変えた時にどのような影響が生じるのかを実験的に分析した.その結果,昇温過程では鉄筋の場合,ステンレス筋の場合ともに耐力の低下がみられたが,この原因は温度上昇による内部空隙の相対湿度低下によるものと推定された. さらに,膨張材を多量に添加してコンクリート内部に意図的に微細ひび割れを生じさせたRCはりを作製し,せん断耐力への影響を検討した.その結果,大きくせん断耐力が増加したが,等価鉄筋比の概念を用いて要因分析をしたところ,多くは拘束膨張によって発生したケミカルプレストレスの効果であり,微細ひび割れの影響は小さいことが分かった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究成果としては概ね順調に得られているが,初年度の研究成果のジャーナル論文投稿が遅れている.また,新型コロナウイルスの問題で年度末の研究活動が停滞した.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年となることから,これまでの研究成果をとりまとめ,定量的な評価が可能になるようにする.特に,研究成果の発表を強く意識し,対外的な情報発信に注力する.
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Research Products
(5 results)