2019 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18H01530
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
濱本 昌一郎 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (30581946)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹村 貴人 日本大学, 文理学部, 教授 (30359591)
山下 祐司 筑波大学, 生命環境系, 助教 (30543227)
斎藤 広隆 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (70447514)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ナノ材料 / 土壌 / 移動特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、封入空気の存在が多孔質体内のコロイド粒子(シリカ粒子)移動に与える影響について調べた。豊浦砂を充填したカラムに、真空条件下で給水することで完全飽和試料を作成した。このカラムを所定のサクションで脱水させたのち、再度給水させることで封入不飽和試料を作成した。封入空気の存在は、X線CT画像にて確認し、画像解析から封入空気の存在量および気泡径分布、さらに液相のネットワーク(屈曲度)について解析した。封入空気の存在(飽和度90%程度)は、イオントレーサーの挙動に影響を与えなかったものの、完全飽和試料に比べてシリカ粒子の流出が早まる結果が得られた。一方、CT画像解析から封入空気の存在によって液相の平均屈曲度が増加する結果が得られた。物理的な間隙ネットワークの変化よりも、封入空気とコロイド粒子との相互作用が、コロイド粒子の流出に影響を与えたと考えられた。また、コロイド粒子の沈着がナノバブル挙動に与える影響について調べた。カルボキシルラテックス粒子をガラスビーズ充填カラムに注入し沈着させた後、ナノバブル水を注入した。ナノバブルの流出率はラテックス粒子の沈着下で低下した。注入するラテックス粒子濃度を変えた条件で実験した場合、ガラスビーズ表面への沈着量は注入濃度の上昇に伴い増加するものの、その後のナノバブルの流出特性には影響しなかった。また、ナノバブル沈着下でのラテックス粒子の流出挙動についても調べた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで、多孔質体内のナノバブルおよびコロイド態微粒子挙動の解明に向けた室内実験に取り組んできた。土壌内における微細気泡と微粒子の相互作用と、各物質移動に関する貴重な科学的知見が得られている。ナノ材料の土壌内挙動解明に向けて概ね順調に研究は進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、多孔質体内のナノ材料の移動特性解明(土壌水の化学的性質が与える影響など)に向けて、室内実験データを蓄積する。X線CT画像を活用し、水-空気界面でのコロイド挙動解明などの研究にも取り組んでいきたい。また、模擬汚染土壌を用いてコロイド担体汚染物質(例えば放射性Csや純金属)挙動解明と移動モデルの検証を行う。
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Research Products
(9 results)